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現実 -4-(ドライ)
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「では、まず準備をしたいので、少し部屋にお邪魔さてください。玄関で結構ですので」
「…………」
櫻井は無言で鍵を回して、玄関に入った。その後から「失礼します」と武上が入ってきて、パタンとドアを締める。
「少しの間、ズボンとパンツを下ろします」
「……好きにしろ」
武上は会釈のように軽く頭を下げてから、丁寧な手つきでベルトを外し始めた。
櫻井は下を脱がされながら、彼に下半身を晒すことに絶望を感じていた。
抗えず、不本意にさせている行為。
それでもこうして、男の手でゆっくりと脱がされて、下半身を露わにされて。
身体が、熱くなっている。
櫻井は目を逸らしたが、下着を下ろされて半立ちのペニスが武上の眼前に晒されたことは、イヤでも分かる。何度もしてきたことなのに、今はこれほどに屈辱感が募るなんて。
「こちらを、肛門に挿入させていただきます」
目の前に差し出されたそれを見て、櫻井はゲッと声を出しそうになった。それほど太くは無い、妙に流線形のオブジェのようなもの。
これがなんだか知っている。調教されていた頃にもなんとなく見ていたが、最近になって、詳しく見ていた所だ。
「ま、待て、あっ……」
かがんだ武上を制止しようとしたが、そのオモチャの先がアナルに侵入して、思わず声を上げた。
「んっ……!」
スルリと入ってきて、三つ又のようになったところがつっかえて止まる。
その止まったところが絶妙で、角度も的確に中を圧迫してくる。外側でそれを支えるつっかえもまた、会陰部を刺激する。
「あ……」
櫻井は今から足が震えていた。このあと自分がどうなるのか、想像してしまっている。
武上はその様子を見ておきながら、下ろした衣服を引っ張り上げた。
「なにを……」
上までたくし上げておきながら、ジッパーは上げずにペニスだけが曝け出されたまま。オマケに、武上は手錠まで取り出している。
「イヤだ……」
「今日は一切の拒否を受け入れるつもりはありません」
相変わらず淡々と答えると、背中で櫻井の手首は拘束された。
「それではこのまま助手席にお乗りください、急いで」
「そんなっ……!」
問答無用で扉は開かれた。一応武上は前に立って丸出しのモノは隠してくれるが、後ろの手錠は丸見えだ。
櫻井はなるべく武上に引っ付くように小走りで車に向かう。同じアパートから誰か見ていないか、後ろがひどく気にかかったが、無事車に入るまで人は出てこなかった。
「最悪だ……」
家の鍵を締めに戻る武上の背中を見ながら、櫻井は下半身のジンジンとした刺激に頭が浮かされ始めていた。
ダメだ、完全に『モード』に入っている。今のままじゃ、あんな最悪の男でさえ欲してしまう。こんな状態で車で連れ回されるなんて、気が狂いそうだ。
「お待たせいたしました」
武上が運転席に戻ると、手を動かせない櫻井の代わりにシートベルトを付けさせた。
「頼むから、服だけはどうにか……」
「外からは覗きこまれない限り見えません」
「そういう問題じゃ……」
「先ほども申し上げましたと思いましたが」
「…………」
櫻井の表情が引きつると、武上はそれでいいとばかりに無言で車を出した。
「あ……!」
シートの振動にすら、敏感に反応してしまう。
櫻井がペニスを丸出しにして荒い息を立てる中、車はどことも分からず走っていく。
「あ、もう、頼む、とめてっ……!」
思っていたよりも身体はすぐに昇りつめた。武上に懇願しても、彼はこちらを見向きすらしない。
「頼む……から、あ、あああぁぁっ……!!」
櫻井は足をガクガクと震わせながら、射精もせずに絶頂を迎えた。
今まで櫻井がどれだけ自慰を重ねても、ドライオーガズムに至るのは意識的に避けてきた。
まだ一晩だけしか味わっていない刺激だが、そのときの衝撃は脳裏に深く焼き付いている。
一度達してもおさまらず、逆に繰り返しその快楽を貪りたくなる、あの感じ。今の自分の状態で、それをやってはまずい気がしていたのだ。
「はあぁっ……!あぁーー……っ!」
快感に中のものを締めつけるたびに、また新たな波が押し寄せてくる。ココが車中であることも、隣に武上がいることも忘れてしまいそうだ。
「黒宮との賭けが終わるまで、職務遂行中のあなたのことも監視しておりました」
最初の信号で止まったところで、武上は語り出した。
彼が言ったことについては、もう櫻井もこれくらいのことで驚かない。そんな話を聞いているよりも、この快楽責めの中で理性を保つことに集中力を注いでいたい。
しかし、次の言葉を櫻井は聞き流すことが出来なかった。
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