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徹と少し話しながら
食事をしていると
食堂内がざわついた。
どうやら生徒会一同が入ってきたようだ。
あ、くま先輩いる。
連絡先も知らないし
今日会ったばかりだ
関わり合いもないから
どうバッジを返そうか悩んでいたが
目の前に居るなら今返そうか一瞬悩んだが
この人混みだ。
今関わり合いを持つと目立つのは確実だ。
そんなことは裏腹に
くま先輩はこちらへ駆け寄ってきている。
「げっ…」
そんな困った表情なんてお構い無しに
声をかけてくるくま先輩。
「み…なと!」
「こ、こんにちは…?くま先輩。」
今にも飛び出して来そうなくま先輩を制すため
手を差し出した。
「え…??」
「くま先輩。
こんな貴重なもの
やっぱり僕受け取れません。
お返ししますね?」
僕の手の中にあるエメラルドのバッジを見て
凄くショックな顔をするくま先輩。
「お礼…いや?」
相変わらず声は小さく
周りの騒音にかき消されそうだけど
ここで売店のような距離を取るのは得策ではない。
頑張って聞き取れ、僕の耳。
「お礼にしては対価が大きすぎます!」
「でも…おれ。たすかっ…た。」
「こ、今度。売店でなんか奢ってください!
それでおあいこってことで…ね?」
宥めるようにくま先輩を覗き込んだ。
「こん、ど?また湊音に会える?」
しまった。
これっきりにしようと思ってたのに。
「と、とにかく。
このバッジはお返ししますから!」
無理やり押し付けようとするが
「こん、ど!売店で会う時に、ね?」
僕の真似をして覗き込んでくるくま先輩。
あー。こりゃ人気ですわ。
なんだかいいように丸め込まれたようだ。
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