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ガラッ
静かな図書室。
初めて入るが
人はいない。
利用する人はいるのだろうかと
思うほど人気がないけど
本の種類は大きな図書館レベルだ。
「く、くませんぱーい?」
本当にいるのだろうか。
ガタッ
奥の方から物音がした。
「…みな、と。」
いた。
奥の個室から出てきたくま先輩。
「くま先輩はここにいるって
柊先輩に聞いて。」
「バッジ…。」
バッジ?
返していいのかな?
「バッジ…使ってくれるのかと。」
使う??
「俺の…バッジ。ここの…個室、つかえる。」
そんなの今知ったよ!!
「へぇ。ここの個室には何が?」
「俺の…お気に入り。」
お気に入りの本が置いてある
書庫的な意味だろうか。
促され中に入ると
中にはたくさんの絵本があった。
「あ、この絵本。小さい頃読んだ。」
中には子ども向けの絵本から
大人向けの絵本もあった。
懐かしい絵本もある。
「ここ、落ち着く。」
いつも1人でここに居るのだろうか。
確かにここは落ち着くし
色んな絵本は読んでみたくなる。
「ここの、絵本。
みなとなら貸す。特別…。バッジある。」
バッジの特権はこの個室に入れることと
ここの絵本が借りられることなのか。
てことは一般生徒は借りられないのか?
中には見たこともない絵本もあったから
それは少し気になる。
「あ、そうだ。」
くま先輩と話してると
時間が穏やかにゆっくり過ぎるようで
つい時間を忘れそうになる。
「お土産渡そうと思って探してたんだった。」
そう言ってお土産を渡した。
「くま…。」
ご当地くまキーホルダー。
くま先輩と言えばくま。
部屋にもくまのぬいぐるみがあったし
多分好きなのかなと思ったけど
どうなんだろ。
「かわい…。うれしい。」
よろこんで貰えてよかった。
「ありがと…。」
「どういたしましてー。」
「…みな。かわい。どうしたの?」
かわい?
くま先輩の視線の先は
僕のおでこ辺りだった。
もしかしてこのイチゴのヘアピン?
「柊先輩が、いちごミルクのおまけだからって…」
「かわい。…にあう。」
かわいって可愛いってことか!
こんなの似合ってもなんだよなー。
「あ、あと!やっと会えたので
バッジ返します!」
ずっと返そうと思ってたの忘れてた。
「め。売店って言った。
湊音にも、絵本…知って、ほし。」
んー。
まぁ絵本は気になるしなぁ…。
「分かりました。
ではまた絵本借りに来ますね。」
そう言って図書室を出た。
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