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迎えた学園祭当日。
前半はまぁまぁ大変だった。
女装姿を好奇心で見に来る
女性陣が意外と多く
みんなヒールもあって
僕より背が高かった…。
何度「かわいー!」と
お姉さま方に言われたか…。
メイクの力です。
うちのクラスのお店はフードも豊富で
後半の方がお昼ご飯もあって
混む予想がされていたから
後半が自由時間で助かった。
すまん、徹。
着替えて自由時間を過ごそうと思ったら
宣伝も兼ねてだからメイド服の女装のまま
見て回ってくれと頼まれた。
まぁメイク落とすのもだるいし
ウィッグのせいで脱いだら地毛はボサボサだろうから
まぁいいけど。
知人もいないしね。
そう思っていたのに。
「…那央。」
まただ。
こんな変装まがいなことしてても
見つかってしまう。
前と同じ
でも前と違う。
1度会ってしまった僕の感情は
前よりも嬉しそうに体が反応してしまう。
「…なん、で。」
「空に誘われて一緒に来てるんだが…」
ハチ…。
ハチに文句を言いに行こうと
その場を去ろうとした。
「待ってくれ!
あいつを責めないでやってくれ。
俺が那央に会いたいってあいつに頼み込んだんだ。」
なんで…。
「なんでだよ…
僕ら会っちゃいけないのに…。」
今にも志生を責めそうになる。
というかもう責めてる。
「悪い…。会わないようにって言ったのはあいつだろ。
俺はずっと後悔してる。
あそこで俺がお前から離れたことを。
俺はずっと会いたかった。お前は…?」
ずるい。
ずるいずるい。
「僕だって…会いたかった!!…でも!!」
そう言うと
抱きしめてきた志生。
あぁ、この匂い。
この温もり。
この大きさ。
懐かしくて愛しい。
「ごめん!
迎えに来るの遅くなった。
あいつに見つからなければいいんだ。」
そんなの上手くいくわけない。
地元でもない志生とも地元で会ってしまった。
隠れるのも逃げるのも時間の問題だ。
そんなこと分かってる。
分かってるのに
今は目の前にいる志生に甘えてしまいたくて
ずっと我慢してた感情が溢れてしまいそうで。
「もう…我慢しなくていいの?
会いたい時に会えるの?」
そう言ってしまった。
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