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体育祭の時にわかってると思うが
僕は足が遅い。
逃げ切れるわけがない。
それでもあの場所から離れたかった。
遠ざけたかった。アイツを。
これ以上迷惑かけられねぇ。
もう限界
捕まる。
そう思って僕は咄嗟にとある部屋に逃げ込んだ。
運がよく、逃げ込んだ部屋は内鍵が付いていて
急いで鍵を閉めた。
「何事だ。」
室内に人が居たようで声を掛けられた。
「…はぁ…はぁ…はっ…はぁ…」
過呼吸になりそうだ。
「す、少しだけ…避難…させ…ください。」
息を切らしながらなんとか言葉を発した。
「詳しく事情を聞こうか。」
机に肘をつき
こちらを真っ直ぐ見つめる
会長。
ここは生徒会室だったようだ。
副会長から飲み物を頂き
呼吸が落ち着いたところで
とある申請を申し出た。
「退学させてください。」
「理由は?」
「……」
「やむを得ない事情や処分以外で退学は認められない。」
「…家族が危なくて…その、…」
家族ではない…
あぶないのは嘘では無い。
ある意味あぶない奴。
「それは大変だと思うが
1週間に1度郵送でもいいから
課題を送ること。それを条件に休学申請を受理しよう。」
「!?ちがっ!休学じゃなく退学で!!」
休学じゃだめだ。
戻ってこれる保証がない。
「何故退学に拘る?
休学で様子見ながらの復学も可能だぞ?」
「……わかりました。
ただし、課題はお約束できません。」
休学期間過ぎても戻れなかったら
そのまま退学すればいいだけだ。
卒業したかったなぁ…。
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