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「…解け。」
「ダメだよー。解いたら
那央逃げるでしょ?」
「逃げねぇよ。逃げねぇから
お前と今ここに居るんだろ。」
手足を縛られている。
声も掠れてきた。
身体には無数のアザ。
この一週間頭がおかしくなりそうだった。
殴られたり蹴られたり
拘束され自由を奪われ
酷いことをするくせに
たまに兄貴に似たその顔で
悲しそうに見つめてくる。
まるで謝るような顔で。
「まだ反抗的な態度なんだね。
忘れたの?お前の立場を。」
「あいつは…あの女は…。」
「はっ。あんなクソ女がどうしたって?」
「俺よりあの女を探せよ!
俺はアイツを許さねぇ。
お前だってそうだろ!?
あいつが居なければ…」
ドスッ
「うっ…」
「あいつが居なければ?」
冷たい視線。
「居なければはお前だろ?
お前が居なければあんな事にならなかった。
あの女だってお前が居たから。
お前が兄貴と出会ってなければ!!」
僕がずっと2年間自分を責め続けた言葉。
殴られた頬が痛い。
口が切れたようで鉄の味がする。
「ごめ…なさ。」
そこで僕は意識を飛ばしてしまった。
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