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「…いいかげんにしろよ。」
冷たい声。
ガチギレしている声だ。
来てくれて嬉しい反面と
来て欲しくなかった感情が混ざる。
「まーた邪魔するのかしら?」
女はゆっくりと振り返る。
「あんな置き手紙
挑発して邪魔して欲しかったんだろ?」
挑発し返す志生。
「し…き。だめっ…!きちゃ…」
「んーもぅ。せっかく良いとこだったのに
萎えちゃってるじゃない。」
また僕の下半身に触れる。
「やっ…」
「てめぇに1ついい事教えてやるよ。」
ゆっくりと僕らに近寄る志生。
「那央は俺じゃないとイケないんだぜ。」
そう言って女を蹴り飛ばした。
「那央…大丈夫か。」
そう言って僕に自分の上着をかける志生。
「志生…。」
カチカチ…
「あんたは邪魔なのよぉおぉぉぉ!!!」
カッターを振りかざす。
「し、き!後ろっ!!!!!」
「今回は俺も居るんだよ!!!!」
カッターを握る手を蹴るハチ。
女の手からカッターは離れ
女は顔を歪ませて手首を抑える。
そこに馬乗りになるハチ。
「邪魔なのはお前だよ!
お前のせいで何もかも変わった!
みんなの笑顔が消えた!!
お前が見たがってた那央の笑顔も消えた!!
お前はそれで満足なのかよ!!」
ハチの悲痛の叫びが響き渡る。
「ごめ…なさ。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
そんな悲痛な叫びは僕には届かず
志生の後ろに写ったカッターが
2年前をフラッシュバックさせ
僕はひたすら謝ることしか出来ない。
「落ち着け…那央。」
過呼吸を起こす僕。
「大丈夫!大丈夫だから!
俺はここに居る。生きてる。」
そう言って抱きしめ
背中を擦る。
「…とりあえず警察には連絡した。
廃ビルとはいえ不法侵入として
逮捕されるだろうな。
あとは、強姦、恐喝?傷害…殺人未遂?
しばらくは出られないだろうな。」
遅れた頃に聞こえてくる会長の声。
「わぁ、カオス!」
少し明るく空気の読めない声は柊先輩。
「み、なと。」
心配そうな声のくま先輩。
「……」
抱えてるものを知って
自分の想像が甘かったことを知る徹。
「…くそっ」
悔しそうな顔の奏斗。
それぞれの感情が生まれる中
僕はまた意識を飛ばした。
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