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「志生……?ねぇ、志生?」
震える声で声をかける。
反応は無い。
「志生!嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
志生!やだよ……!返事してよ!!」
いつの間にか女は居なくなっていた。
そこに駆け寄るハチ。
「那央!大丈夫!
志生は大丈夫だから!」
救急車に運ばれた志生を見送る僕の背中を
撫でながら宥めるハチ。
僕も怪我は無いが
志生と同じ病院で
念の為の検査入院をした。
警察の事情聴取はハチが代わりにしてくれた。
僕はこの件について話したくなかった。
僕は検査結果は異常なし。
カウンセリングが必要と言われたが
カウンセラーの前で何も話さないので
カウンセリングは中止になった。
カウンセリングよりハチと話してる方が
元気が出ると先生も理解していたから。
志生も命に別状はなしだが
背中の傷が大きく緊急手術で
相当な量縫ったらしくしばらくは
背中をつけられずうつ伏せの生活らしい。
そんな姿はかっこわりぃからって
僕は面会謝絶された。
その代わり退院したら1番に連絡するから
家で待ってて欲しいと志生の家の合鍵を貰った。
ハチもすごい勢いで回復してってるから
安心しろ!と頭を撫でてきた。
本当に回復が早く2週間で退院になった。
安静にとは言われてるけど。
退院前日に志生から連絡をもらって
僕は退院当日、志生の家で待っていた。
ピンポーン
インターホンのモニターをつける。
『愛しの旦那が帰ったぞ。』
そんな冗談が言えるほどには元気な姿だった。
扉を開けた途端
僕は志生に抱きついた。
「おいおい…安静にって言われてんだからな?」
そう苦笑いをする志生に
慌てて僕は離れた。
「そんな勢いよく離れられると
それはそれで寂しいんだが?」
そう言い、優しく笑いながら頭を撫でた。
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