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それから僕はいつも以上にベッタリだった。
両親も僕が誘拐されたことを
警察から聞いていて
外出は心配していたが
志生が入院していた2週間
僕の精神の方が大変で
志生のそばならと送り出してくれた。
そこから約1ヶ月
僕は志生の家に泊まっていた。
そして迎えた僕の誕生日。
まだ安静にしていないと傷口が開いてしまうから
外出は控え家でまったり過ごしていた。
志生の手料理といつの間にか
買ってきてくれていたケーキでお祝いしてもらい
プレゼントは用意できなかったと言われたが
一緒に過ごせただけで
お誕生日を一緒に迎えられただけで幸せで
それがプレゼントみたいなもんだと言うと
笑って頭を撫でてくれた。
その日も志生の腕枕で眠りについた。
悪夢を見ることも無く
なんだか幸せで穏やかな夢を見た気がする。
目が覚めると隣に居るはずの志生がいない。
志生の代わりに大きなぬいぐるみが置いてあった。
居ないとしても大抵キッチンで
ご飯を作ってるかシャワー浴びてるか……
部屋を探そうとした時
置き手紙を見つけた。
𓊆 - ̗̀ 𝙷𝙰𝙿𝙿𝚈 𝙱𝙸𝚁𝚃𝙷𝙳𝙰𝚈 ̖́-
那央
傍にいてやれなくてごめん
幸せにしてやれなくてごめん
俺の事は忘れてほしい
志生 𓊇
急いで部屋を飛び出して
家の周りを探したけど見つからない。
携帯で電話掛けても繋がらない。
「ハチ!!!
志生が!志生がいないの!!!」
急いでハチに電話をかける。
『お誕生日おめでとう。那央』
「ありがと、でもそれより志生が!」
『何歳になった?14?』
「ふざけないで!」
『……志生ならいないよ。もうこの街には。』
「……え?」
『勝手だよなーほんと。
親友の俺にも内緒でさ。
一通のメールのみ。那央を頼む。それだけ。』
そうして僕と志生は自然消滅で別れ、離れてしまった。
…………懐かしい。2年前の事件と
志生との別れの夢を見た。
さっきまでパニックだったのに
変に冷静な自分がいる。
ガチャ
「それは僕が説明するよ。」
そう言ってみんなの元へ向かった。
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