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なんだか今となっては
大きな痴話喧嘩というか
茶番劇を見せられたようだと
みんな解散した。
一応、奏斗からアザだらけの僕の身体について
謝罪されたけど許した。
痛かったし苦しかったけど
奏斗は大切なお兄ちゃんを傷つけられたんだ
同じくらい痛かったし苦しかったと思うから。
そう言うとお人好しだと
志生に怒られた。
志生の弟だからね
これが他人なら思わないけどね。
そんな奏斗とも別れ
志生の家に帰ってきた。
「それより、改めておかえり。志生。」
あの日、ぬいぐるみとバースデーカードを置いて
姿を消して出ていってから
僕もハチ達の前から姿を消したから
人のこと言えないけど
僕は志生からまだ聞いてない。
出ていってから帰ってきた挨拶を。
「ただいま。那央。」
「もう勝手にどっか行かないでね?」
抱きつきながら覗き込む。
「こんな可愛いやつ心配で離れらんねぇよ。」
「ふふ。あ、僕達って今別れてるの?」
「俺は別れたつもりは1度もないけど」
しいていうなら遠距離恋愛?
消滅はしてなかったぽい。
「ふーん。じゃあ恋人なのかな?」
なんだか実感が湧かない……。
しゃーねぇな。
そう言って僕をお姫様だっこして
ベッドまで運んだ。
チュッ
「んぅ……」
「もう一生離れねぇし、逃げねぇ。
俺はお前を守る。どんなことがあっても
どんな傷を負っても、それを俺は誇りだと思ってる。
大切な奴を守れた証だ。
だからお前は罪悪感とか、んなもん考えんな。
お前は俺を支えてくれ。
ずっと俺の隣で笑っててくれ。」
そう言ってまた口付けた。
「んんん…!」
「お返事は?」
ニヤッと笑う志生。
返事しようとしたら
口を塞いだのは誰だ!
「僕だって守られてばかりのお姫様じゃないから
僕だって志生を守るし支える。
でも無茶はしないって約束して。
志生も僕の隣でずっと笑ってて。
優しい手で頭を撫でて。
他の子に色気振りまいてたら許さないから。」
「ばーか。お前以外みんな同じ顔だ。」
それは失礼ではないか?
笑い合いながら
またあの頃みたく志生の腕枕で眠りについた。
今度は起きても隣にいると安心して眠りに。
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