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久しぶりの再会
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佐伯君と手を繋いで帰り道を歩いた。
電車にもこの状態で乗った。夕方だったから人が沢山乗ってて変な目で見られたりなんてことはなかった。
佐伯君のとこの最寄りに着いて二人でまた歩いた。もちろん手を繋いで。少し暗くなってきてたし、すれ違う人がいても僕等が手を繋いでるなんて分からないはず。
佐伯君とどうでもいいようなことをお話ししながら歩いてた。
「……要⁇」
聞き覚えのある声が僕を呼んだ気がした。
後ろを振り向いたけど暗くて誰か分からなかった。でも誰かいる、さっきの声……
「要…⁇どした?」
「ゃ…………や……だ……やっ……」
言葉が上手く出てこなかった。佐伯君の後ろに隠れて首を振ることが精一杯で膝がガクガクして立っているのがやっとだった。体の震えも止まらない。逃げなきゃ、逃げなきゃいけないのに、身動きがとれない。
「久しぶりだなぁっ‼︎元気してた?ってか、俺のこと覚えてる?」
こっちに寄ってくるその人……
ぎゅっと佐伯君の服を握りしめることしかできない。僕の様子が明らかにおかしいことに気づいたのか、佐伯君が僕にこそっと聞いてきた。
「こいつ誰……?」
「…ゃ、やだ……や………嫌だ……やだやだ……」
頭の中が拒否しか浮かばなくて何も言えない。怖い怖い怖い…嫌だ、やだ………来ないで、来ないでっ‼︎
「……すいません、どなたか知りませんが人違いではないでしょうか?」
「………そうかもしれませんね。あまりにも似てたものでっ」
「じゃあ、失礼します」
僕を隠すようにして足早に何処かへ向かってる。佐伯君の家かな?
他に何も……考えられなかった。
ただ佐伯君に着いて行くだけだった
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