アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
後悔
-
「ねえ、洗濯物してよ」
「これ終わったらするから」
そう言いながらゲーム機をいじる彼
「それさっきも言ってた」
「だから後でやるから」
「後でっていつ?もう2時間経ってるんだけど。もう乾かなくなっちゃうよ」
「ちっ…うるせーな…」
「…なにそれ、聞こえるように言ってんの?」
「分かったやるから。もう黙れよ」
「何黙れって。俺なんかおかしい事でも言った?」
「もーやるからさ、ほんと静かにして」
「ねえ、」
「…」
「俺のこと嫌い?」
「…そういうのだりぃ」
「なあ、答えろよ。最近なんかおかしいって
スマホずっと見てたり、なんにも言わないでどっか行ったり、それで朝帰りだったりさ
最近俺の話も全然聞いてくれねぇし
なに?どうしたの?」
「あーはいはい、分かった分かった
ちゃんと家事とかすればいんだろ?」
「…そういうことじゃないだろ」
「何が?そういうことだろ」
「……」
「…」
「もういい」
「おい、逃げんなよ」
「逃げてない」
「なあそれさ、ずっと思ってたんだけど
がちうぜぇ
毎回自分だけ納得した振りしてどっか行くのやめてくんね?」
「…」
「俺の話聞けとか言ってんのに結局何も言わねぇの?何なんお前」
「…」
「なあ、何がちげぇんだよ言ってみろよ!!」
「じゃあ言わせてもらうけど!!
お前浮気してるよな?!
上手く隠せてると思ってるんだろうけどバレてんだよ!!
俺の金で女と遊んで楽しいかよ!!なあどうなんだよ言ってみろよ!!!」
「はっ、んだよ
分かってるなら最初っから言えよ」
「っ、悪いとか思わねぇのかよ!!」
「思わねぇな。なんかお前うぜぇんだよ母親みたいにガミガミ言って
最近スキンシップもとれねぇしな!!
お前のそのパニックなんちゃらで!
まあお前なんかよりそこらの女の方が抱き心地いいからいいけどな!!!」
「っ!
言っていいことと、悪いことがあんだろ
お前がっ男の俺を好きになったんじゃないのかよ!
なのにっなんだよ…
女の方が抱き心地がいい…?」
「ああ、好きだったよ前まではな。今のお前はもう抱く気すら湧かねぇ」
「っ…ん…よ、」
「あ゛?」
「何でだよ…」
「知らねぇよ、お前に魅力が無くなったんじゃね」
「………」
「んだよまた泣き真似か?それだるいって」
「っ…っ、」
「はいはいもう分かったからそれやめろ」
「はっ、は…、」
「…なあ。やめろってもう」
「っ、はっ、ぐっ…ぁ」
「なあ゛!!」
「ふっ、っ…ぁ゛」
「…」
リビングから出ていこうとする後ろ姿が見えた
「…まっ…て、…いきでき、な…っ…、」
「頭冷やしてくるわ」
「まっ、てっ…、っ」
「はー…」
片手は頭を掻きながらもう片方はタバコを持ってまだ明るい公園を歩いた
いつも賑わっている公園には子供は1人もおらずなんだかいつもと違う日だった
1時間、2時間くらい外をぶらぶらして
いつもの女遊びもする気が起きず
黄昏時の綺麗な景色を見ていた
「…言い過ぎたかな」
ここまで3年だった
世間ではまだ許容されていない同性愛
きっとお互いに想い合ってあんなに幸せに暮らせていたのは奇跡だったのかもしれない
思えばお互いに想いを伝え合えたことでさえ俺達には可能性すら見出だせなかった奇跡だったんだ
俺は、今まで何をしていたんだ
何てことをしでかしたんだ
恋人の甘い顔が頭をよぎる
謝ろう
許してくれなくとも永遠にあいつに謝ろう
ただ、ただ大好きなんだ
少しだけ間違えてしまったんだ
足が家に向かって早く動いた
何故か自分が泣いているのに気づくのは家に着いてからだった
頭に1滴の雨が降った
でも不思議なくらい空は晴れていて雲なんて1つもなかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 6