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拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか? 3
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家の中に入れてやると玄関で止まった。どこも濡れていないのにタオルを貸してほしいと言われて渡せば、黒い傘を丁寧に拭く。そしてそのまま手に持っていく。
おいおい、リビングまで持ってくるなよ。常識だろ?注意すれば、汚さないからどうしてもと押し切られた。床に座り、落ち着いた様子で何かを取り出す。
「これ、なーんだ?そう、盗聴器!ここと、あと2か所に仕掛けてあるよ、合法の。あなたが昼間、同僚の失敗で上司に頭を下げたり、八つ当たりに蹴っ飛ばした空き缶が跳ね返ってきて悶絶したりしている間にお邪魔してたのも、合法」
「よし、明日警察署に行くぞ」
「だから合法だってば。ほら?あなたの想像通り僕は警察の犬だからさ、許されてんの」
ネタバラシがエグイ。取り出したのは小型のレシーバー。慣れた手つきで壁のコンセントを解体し、盗聴器の登場。その工具はどこから出してきた?まるで手品だな。
というか、仕事場での俺のことまで知ってんのか!警察署だぞ!?ど、どこからか見ていたのか?
「1年前のあの日、たった数分だけ会っただけなのに。ずーっと僕のことを調べて探してくれていたなんてね。しかもあなたって真面目で仕事バカだから、家に帰っても仕事して僕のことを呟いて。嬉しくて出てきちゃったってわけ」
超笑顔だが、俺は青ざめる。ガチのストーカー被害。いやそれよりも。顎を上げ首元を指さした美少年のそこには、黒い首輪。
趣味嗜好で付ける以外には使わない、人間性を無視した首輪。その無機質からは、異様な雰囲気を感じる。
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