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黒い傘 3
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ミナギは警察の犬として特殊訓練を受けているので頭がよく武術にも長ける。彼が「合法」という裏の“ワザ”を使い、よく難事件を解決に導いてくれている。
証拠を見つけたり、犯人と戦闘になったりと危険な手伝い。完璧な働き。そう躾けられているから。そうしなければ生きていけない、生きる価値がないと教え込まれた。
5年が経ってもまだ、俺は前の飼い主のことやミナギのことを深く聞き出せていない。聞こうとはした。だが、話を振るとミナギは「ヒミツだよ」って笑うんだ。
出会った時と同じ、悲しみの混じった笑顔。その笑顔を見ると、それ以上問い詰めることができなくなる。
ミナギが自分から話してくれるまで、待つしかないのか。話せるほどの信頼性は、俺にはまだないということか。
ミナギが手伝い始めてから俺は成績が上がり収入も増え、以前よりも断然に明るく楽しい毎日だ。ミナギが、いつも俺を笑わせてくれる。家事といい仕事といい、助けられてばっかりだな。
ミナギはいつも俺を全力で支えてくれる。俺は代わりに、家では家族同然に接する。他愛ない話をしながら一緒に家事をしたり、休日は出かけたり。
今日は18連勤明け、久しぶりの休日。外に出かけて休日を楽しもうと昨日の晩、ミナギお手製の特大豆腐ハンバーグ和風おろしあんかけに舌鼓を打ちながら話していた。
豆腐ハンバーグには刻んだ野菜も入っていて健康的。いつも栄養バランスを考えてくれていて、おかげで俺は毎日健康体だ。
「悪いが、先に報告書を出しに行く。その後で商店街に行こう」
「お供します、ご主人様っ。フフッ、なんてねー。商店街、楽しみだなぁ」
楽しそうだな。この18連勤中はミナギもよく頑張ってくれた、何かご褒美をしてやらないと。と考えながら、荷物を持って車に乗り込んだ。
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