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元警察の犬の計画は現役の警察にことごとく崩される 8
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「腰抜けさんっ!!言わないでって言ったじゃん!藤代さんも、な、何でもないから!……っ、えっと。ぼ、僕帰る。仕事の邪魔してごめんなさい」
腰抜けの同僚のことが嫌いでイジメていたのかと思いきや、相談?しかも恋って?目が点になっていると、ミナギが逃げた。
後ろから首根っこをつかんで、つま先立ちになるくらい持ち上げていたのに。まるで猫。ギャンッ!一瞬暴れたかと思えば、ミナギの姿はもう扉の向こう。
一体、どういうことなんだ?ゆっくり、腰抜けの同僚に顔を向けてみれば。こいつ、両腕で頭をガードして耳も押さえて「何も聞かないでください、お答えできません」だってよ。
しかも「ミナギ君ごめんよ」と呪文のように呟いて。とりあえず、何を言うわけでもなく自分のデスクに戻った。
あぁもちろん、腰抜けの同僚にはガードしている腕の上から脳天にゲンコツを振り下ろしておいたがな。床で伸びている?口から溶けたチョコレートが垂れていている?知らん。
「課長、ミナギ君って車運転できるんですね」
また寄ってきた若い女性の部下がそう言って窓の下を覗く。うわ。あいつ、俺の車に乗って帰りやがったのか。
帰り、電話して迎えに来てもらおう。さっきの様子が気になって仕方ないが。呼んでも来なかったら…………腰抜けの同僚に送ってもらうか。
あぁ、それにしても。ミナギの恋、か。俺達、恋人同士だよな?なのに、恋?しかも、嫌いだって言っていたやつに相談?
わからん。モヤモヤがやばい。仕事が始まったばっかりだっていうのに、気になって仕方がない。
頭を振って深呼吸を繰り返しても、ブラックコーヒーを飲んでも。1分も集中できない。今日は、1日だけで何十回も失敗をしてしまった。
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