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噂の転校生
- 今日からこの学校に通うことになった、渡瀬苺愛さんだ。みなさん仲良くするように。そう言って小林先生に連れてこられた男は金髪のハーフアップで色白の中性的な顔立ちだった。深海のような何も映さない真っ黒な目がなんとも言えない雰囲気を醸し出していた。ほら挨拶して。そう言われた渡瀬は挨拶することなくギロッとこちらを睨みつけるだけだった。なんだお前緊張してるのか?小林先生は困ったように笑った。渡瀬、席は窓際の一番後ろの席な。蝶野の隣。僕の隣だ。渡瀬くんは僕の隣にどかっと座ってゲームをし始めた。小林先生はそんな渡瀬くんに何も言わずに授業の準備をしろよと一言告げて教室を出て行った。先生が出て行ったあとすぐにみんなざわざわし始めた。僕、蝶野春よろしくね。とびきりの笑顔でそう言った。でも渡瀬くんはこちらを少しも見ずにゲームをする手をやめなかった。ねぇ、渡瀬くんはどこからきたの?何が好き?趣味は?音楽聴いたりする?犬派?猫派?いろんな質問をしても一向に答える気はない。ねぇ、渡瀬くん、渡瀬くん。苺愛くん!苺愛くんと読んだ瞬間。パッとこちらを向いてギロっと睨んで、下の名前で呼んでんじゃねぇよ、気持ち悪い。と嫌悪感全開の顔でこっちを見て言った。やっと返事してくれた。綺麗な声だね。また、反応しなくなる前に僕は畳み掛けるように喋った。あんた、うざいって言われない?渡瀬くんはうんざりした顔でそう言った。言われないけど。わかんないかなぁ?遠回しにウザい、話しかけんなって言ってんだけど。そうだったんだ、ごめんね、もう話しかけないよ。それから僕は授業の準備をして本を読んで授業が始まるのを待った。
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