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身体を起こした近衛に見つめられた那由多の顔は、がらりと変わり妖艶なそれ。見つめ合うたまま近衛に跨ってみれば、着物越しでも確かな熱が上がってくるのを感じた。それが嬉しゅうて嬉しゅうて。私だけが欲しているのではないと、その熱が感じ取らせてくれるから。
「......抱いて下さいませ、」
先は二ヶ月にたった一度の逢瀬だった。それ故、こんなにも近衛が欲しいのだろうと思うていたが、共に暮らせる様になってからもそれは変わらない。
心が満たされれば身体も満たして欲しいと求めてばかり。
出逢うた頃から既に穢れた身ではあったが、そんな私を近衛一色に染め変えて欲しい。そんな詮無い事を思うた。
向い合せの体勢でくっつき、互いの帯を解いた。近くに見える耳朶を食み、そこでお慕いしておりますと囁やけば、見えた近衛の横顔の色っぽい事。しっかりと顔が見たくなり、両頬を手のひらで包み間近で見つめると、近衛の目に欲の色が垣間見えた。
近衛の抱き方は内に秘めたる激情をぶつけるような抱き方。煽れば壊される程に貪り食われると分かっていれど、こんなお顔を見れば止められない衝動。どうかこの腕の中で壊して下さいませと心の中で告げ、二度三度唇を啄んだ。
「......はっ、...っ、...篤忠様っ、...早うっ、触れて下さいませっ、」
なれど私の思いとは裏腹に、今宵の近衛の手は割れ物でも扱う様に優しゅうてそれがとてももどかしい。背を滑っていく手は、まるで先程教わったワルツの様にゆるりとした調べで下りていってはまた戻る。
疼く菊座が切なくて着物越しの刺激でも欲しいと近衛の逸物の硬さを感じながら腰を揺らした。
「...っ、...那由多は真に悪戯だ、」
そう窘められ、近衛の手が下に下に滑り下りてくると、私は腰を少し浮かし、近衛が菊座を弄りやすい様にした。
痛和散を練り込む為に唾液を垂らしている近衛はじっと私を見ている。その目に次に来るであろう刺激を想像すれば身体がふるりと震えた。待ちきれなくなり息が上がる。こんな事なら昔の様に先に菊座の準備をしておいてしまいたいと時折思う。
「篤忠様っ、」と急かすように名を呼び、痛和散を掬った近衛の手を掴んで菊座に導いた。
「んぁッ...っ、...はぁ...もっと、奥まで、下さいませっ、」
そんな那由多を近衛は困った様に眉を下げて見つめる。去年のこの日怖い思いをしたであろう故、今宵くらいは優しく抱いてやりたいと思うにこの色香。菊座とて私の指に絡まる様に纏わりついてくる。艶めかしい腰使いで手操りを堪能しながら見つめてくるその姿の何たるや、刹那に理性を奪われていき左手で那由多の鼻を摘んだ。
「後でどうなっても知らんぞ、」
「ふふ、後悔は致しません、」
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