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帰りましょ
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瀬崎くんの家は俺の自宅の最寄駅から二駅目、らしく同じ方向。こんなにも同じ方向の人いたんだ、と内心驚きびっくり。
目の前にいた日向と碧を通り越して2人で話す。
他愛のない話をした。飼っている犬の話、家族の話、成績の話、進路の話…。
瀬崎くんと話してたらもう直ぐ卒業なのかって思い知らされた。高校3年生になったばっかりだけど、それでもあと1年。早かったなぁって思わず気持ちが年寄りになってしまう。
「びえええええええ」
泣いてる男の子が道の真ん中にいて。僕はオロオロとしかできなかったけど瀬崎くんはすぐに駆け寄ってあやしてて。手馴れているようだった。
その子のお母さんがすぐに駆けつけてきて、その子を引き渡していた。
「…瀬崎くんって、凄いね」
「何で」
「だって、僕オロオロとしかできなかったもん。あーやってすぐに助けに行くってなかなかできることでもないよ。凄い」
思わず目がキラキラしてしまう。
いい旦那さんになりそうな人だよなと笑う。
「普通に照れる。ありがと」
話しててわかったこと。
瀬崎くんは照れると首の後ろに手を回す癖がある。あと、笑うとかわかっこいい。そして、ファンクラブがあること。僕と帰ってる時に数人の女子たちが物陰からハンカチを噛みちぎりそうなほど噛んでた。(怖い)
僕殺されそう。
明日お通夜かも、なんて。
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