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雷さん
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日向は、きっと僕のこと気持ち悪いって思ってて。碧が好きで。
告白?…というより暴露か、それをしなきゃ、なんも変わらなかった。
けど、変わって。
明日からは空くんと一緒にいるのかなとかも思ったけど、それもべったりになっちゃうんだよね。
みんなと仲良くしないと、そう思って目を瞑った。
朝、憂鬱。
雨がしとしと鳴っている。
出かけない時の雨は好きだ。
けど…学校、あるんですよねえ。
いやだいやだ、と唸っていると母さんにぺし、と軽く尻を叩かれた。はいわかってます、行きますよーと傘を持って家を出た。
時間が経つにつれ、雨は激しくなって。
朝礼は良かった。昼休みの空くんとご飯食べてるときもよかった。
……だけど、
今。放課後。とってもくらぁい。きゃあこわあい。もはや棒読みになります、はい。この様子じゃ雷。考えるだけで怖い。一番嫌いなんだ、雷って。足がすくむほど。
加賀美が手伝えというので仕方なく多目的室に加賀美と2人。
「先生、終わったので雷のならないうちに帰ります」
「高校生にもなって雷怖いのか」
「なっ…別に怖くなんかない!」
「そーか、じゃあな。手伝いありがとさん」
と、加賀美が言った瞬間、ピカッと。
あ、れ………今光らなかった?
ドッ……ゴロゴロゴロゴロ……
「ぎゃああああ」
突然の雷、突然の停電。
驚きすぎて、というより怖すぎて叫んでその場に、はたと尻餅をつく。こ、怖い…。
耳を一生懸命塞いで目もつむる。
「…こわい……」
「やっぱり怖いんじゃないか」
涙がポロポロ出して泣きべそかいているうちに気づくと先生の声が近くに聞こえて。腕を背中に回されてポンポン、と優しくたたかれて。怖かったけど、少し落ち着いた。
「………べ、別に怖くないし!平気だし!」
「じゃあ離れるけど?」
「嘘です嘘です嘘です…!待って…っ!」
ぎゅーと高校3年生にもかかわらずしがみつく。
先生がフッて笑ったような気がした。その体制のまま30分くらい経ってようやく電気が復旧して、雷も治って、さっきのがまるで嘘だったかのような天気。……、は、晴れてる…!
といっても若干夜だから暗いんだけど。
パッと加賀美が俺を離して頭を軽く撫でた。
「…待って、加賀美…腰、抜けた」
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