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僕って
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「よいしょ」
加賀美が僕を抱き上げて椅子に座らせて、自動販売機で買ってきたジュースをくれた。なんかそういうところ優しいよなぁ、決して生徒には見せないけど。お礼を言ってチューチュー、とストローで飲む。
「そいえば、木枯は瀬崎と仲良くなったな。何の心境の変化?」
なんて。
だからこの人なんでしってんだ。昨日だって一緒に帰るの空くんとは言ってないし!
「先生って詳しいよね、本当。…まあ色々あったのよ。大人の事情ってやつ?」
「高校生はまだ子供だ」
「うるさいです」
…加賀美からしたら僕は子供の枠なんだ。加賀美のいう大人って、なんなんだろう。
「まあ…、瀬崎と仲良くするのは良いことだ。今日の昼もここに来なかったわけだし、そのまま仲良くしなさい」
なんて。…その言い方だとさ。
「先生は、僕がいると嫌なんだ?」
僕の声だけが多目的室に響いた。
なんか居づらくなって、その場から逃げた。
僕の弱虫。僕が悪いのは知ってて。
けど、どうしようもなくて。
走って走って、学校を後にした。
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