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学校から帰ってから、朝になるまでが極端に短い。こう考えるとなんかほぼ学校にいるみたい。前までは、学校楽しかったけど、昨日の気まずさもあって、なんだか行きたくない。
でも、やっぱり謝らないとな、と思って多目的室に向かった。中から声がして、ドアの前で身をひそめる。
「あの子のこと、ちゃんと気遣ってくれてたんですねぇ。倉持くんが居ないと駄目な子。…ほら、最近1人だったじゃない?先生に声かけてって言って正解だったわ。ありがとね、加賀美先生」
「いーえ、担任ですからね。」
……僕のこと?
だとしたら、加賀美が僕に話しかけてくれたのは、紛れもなく副校長先生のためで。加賀美は、全然僕のこと本当は構いたくもなくて。ただ頼まれたから?…しかも、倉持くんが居ないと駄目な子って。何、それ。
頭が真っ白。
じゃあ加賀美がバイとかってのも、全部嘘?
昨日の雷だって、あやしてくれたのも副校長先生に言われたから?
なんか、全部馬鹿みたい。
僕が謝ろうとしたことも、なにもかも。
目の前が黒い。道がない。
息がうまくできなくて。必死に唾を飲み込む。
どうやって、呼吸ってするんだっけ。
「…お、雪………って、どうしたの?」
多目的室前で佇んでいる僕に声をかけたのは、空くんで。僕は、…どんな顔すれば良いの。
「な、んでもない。教室、戻ろっか」
無理に微笑んだ。
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