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帰り道
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「…なんか今日は、加賀美…先生が先生じゃないみたいで。いつもは、ちゃんといい人なんだよ?けど、違ってて…気がついたら、手つかまれて、キ、キスされて……その…ありがとう空くん」
帰り道。空くんと並んで歩いているけど、空くんはなんだか黙々と歩いている。
「…雪、今度から気をつけなよ?次は俺がいるかわからないし」
なんて言って心配そうに頬を撫でてくれた。
「け、けど…もうしない、って言ってたし。大丈夫じゃない…?」
「雪は甘すぎ。甘ちゃんだよ。…俺が来なかったら、雪、あいつに食べられてたかもしれないよ?」
と、言われてゾッとする。…そう、かもしれない。実際、空くんが殴ってなかったら、きっと、僕は…。思わずぎゅ、と空くんの制服の袖を掴む。
今は、ひと気がなくて、真っ暗で。
思い出すと、少し怖い。
…今日の僕は、どこか少しおかしい、と思う。
思い切って空くんの顔を見上げて、
「あの…まだ、空くんが好きだとかわからないけど…その…ボランティアとか思って…あの、唇消毒してくれませんか。」
と。自分でも、おかしいってわかってる。
キスを乞うくらいなら、もう好きだと言って付き合って仕舞えばいい。けど、好きというのは少しまだ怖くて。
消毒、というと加賀美の唇が、舌が汚いと言っているみたいでなんか申し訳ないけれど、それ以外の言葉が見当たらなくて。
……今、凄く空くんの唇が欲しい。発情期の猫みたい、と自分で苦笑する。
駅前のスーパーの陰に隠れて壁に追いやられたと思ったら、唇が触れた。
「ん…ん、ぅ…ん、」
ぬるりと舌が入って来て、自分も絡ませて。加賀美の時とは違って強引じゃなくて気持ち良い…。なんというか、……は、恥ずかしいけど…ずっとしていたい…。
「…って、御免。さすがにやりすぎた…」
少し経って空くんは唇を離して「帰ろっか」と少し微笑んだ。
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