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突然すぎじゃない?
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一緒に登校して色々な話をした。ゲームの話とか、学校の話、友達の話…本当に色々。話の途中で日向が
「最近変わったこととかあった?」
なんて不意に聞くから
「日向と関わらなくなったことかなー…冗談だよその顔やめなさい」
言葉に出して隣を見ると日向の悩ましげな顔。
どんな顔してんだよ。可愛いか。
…なんて思う。こうして話して見ると日向って可愛いな、と思う。かっこいいというより。
だからこんなにドキドキしなくていいのかも。
だから、こんなに安心するのかも。
と、ふと空くんを思い出してじわわ、と胸の奥底が熱くなる。日向が隣にいるのに何他の男のこと考えてるんだ自分……!と頰をペチと叩くと日向が驚いた顔をしていた。
「遠ざけてごめん…。」
「いや、もう気にしてないから大丈夫」
「気にしてほしいのに。」
「自分から離れておいてよくもまあ…日向ちゃん。」
なんでこんなに日向が暗い顔するのかさっぱりわからない。日向は唇を尖らしながら何やらブツブツ言っていて、耳を澄ましても聞こえない。
…す?…すき焼き?…食べたいのかな…。
「雪。今まで避けてた、のは…………自分に自信が持てなかったから、で。」
「え、修行でもしてたの?」
「けど、今なら言える。…お前、俺のこと本当は、す、…す、好きだろ」
日向が顔真っ赤なんだけど。
林檎さんなんだけど。やだ、可愛い。
なんて内容は自分のことなのに頭はすっからかん。…ちょっと待って。今、日向なんて?
僕が日向のこと好きだろって?
…前の僕だったら今頃テンパってマンホール開けて飛び降りるところ。…今は、どういうわけか心がとても健やかで。
「え?日向さん?落ち着いて。水飲む?」
「なんでお前…。……俺、は!……雪のこと、すき…焼き……食べる仲だと思ってる。」
すごく真剣な眼差し。…どういう仲なのそれ。
「うん、わかった。すき焼き食べに行こうか今度。学校ついたよ?日向。」
割と心は空くん。…わわ、知らない間にこんなに好きになってたなんてな、と心がくすぐったい。…だから今隣にいるのは日向だって。と、自分を戒める。
「…ふぅ。落ち着いた。俺はお前が…好きだ、雪。」
日向の口から、ポツリ。
それはとても大きい声ではなかったけど、僕の心にトン、と落ちてきた。
好き?……日向が、僕を?
……はい?
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