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悶々
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結局空くんが帰って来たのは1時間目の途中で。僕がふいに見つめると空くんは口パクで、後で話す、と言った。
早くこのモヤモヤを、どっかへやりたい。
「沙優、……中川沙優って言うんだけど、俺たちと同い年だけど昔から身体が弱くて。俺がよく一緒に帰れないのは見舞いに行ってるからで。…その、隠してたわけでもないんだけど御免。誤解しないで欲しいんだけど、友達だから。」
昼休みにそう苦笑する空くんをじっと見つめる。…友達に、あんな風に抱きつくのだろうか。もしかすると、病室?でずっとあんな感じ?
空くん、それで抵抗しないのかな。
……僕いるのに。
「雪?」
1人黙り込んでいると、空くんが僕の頰を撫でて顔を覗き込んだ。
「ううん、なんでもない。…そうだったんだね。わかった。」
…納得してない自分が、嫌だ。
その日の焼きそばパンは、いつもの味がしなかった。
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