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どうして。
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「…な、んで…。」
「世の中はさ、何でも偽造できちゃうもんなんだよ。…このレコーダーだって、好きなところで切ることができるんだから。…雪が言ったら全部パァ。それもこれも、全部雪が誘ったからやりましたーってね?」
ニコ、というよりニヤ、と効果音がつきそうな、笑い方。加賀美が、僕の知らない加賀美。いや、もともと知ってなかったのかも…。
恐怖と嫌悪。
「…なんでこんなことするの、」
声が、震える。絞り出して、絞り出して、やっと出した声。
「愛だよ。…倉持から離れて俺のところ来て。そのままずぅと一緒にいれば何も怖いことはしなかったのに。…瀬崎なんかとくっつくから。…あいつなんかと」
目の前にいる加賀美は心底空くんを妬んでいて。空くん、何も悪いことしてないのに。…空くんを思うと、胸が痛む。だって…、
さっき、シちゃったから。
空くん、じゃなくて、加賀美と。
自分の欲望に負けて。散々喘いで。自ら腰を振って。…取り返しがつかないことをしてしまった。
言ったら…空くんは僕を拒絶する?
言ったら…空くんは僕から離れる?
「…ほら、いるじゃん最近。えーっと、沙優ちゃん?雪が言ったら、そっちに行くかもなぁ?…というより行くだろ。他の男に穢された雪なんて捨てて。……だから、言わないのが一番良い選択。言っても、捨てられるだけなんだからな?」
目の前真っ暗。
どうして、こうなったんだろう。
今日普通に帰っていれば。空くんの言いつけを守っていれば、こうならなかったの?
「まぁ、捨てられても……俺がついてるよ、雪。あぁ、俺の可愛い雪…。もう一回シたいところだけど、怪しまれちゃうからね。…じゃ、気をつけて帰ってね」
普段鉄仮面だった加賀美が、僕を愛おしそうに見つめて首筋を舐めた。
……空くん以外にされるの、……気持ち悪い。
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