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誤解を解きたい
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「え…、御免。俺に触られるの、嫌だった?」
空くんの悲しそうに苦笑する顔がチラリと見える。そうじゃない、そうじゃないの…、
けど、言えない。言ったらきっと。
「……そ、じゃない」
「だったら、どうして。俺が、沙優ばっか構うから…もう俺のこと、嫌いになった?俺、いない方がいい?」
「違う…の。……や、いかないで。…空くん……行かないで…行かないで…。離れちゃやだ…」
ポロポロ涙が溢れて、けどぎゅっと空くんを抱きしめることは叶わなくて。
「雪…何があったの、教えて?」
優しい声が、泣いてる僕の頭上に降ってくる。…空くんの声。
「僕、は…汚いから……空くんに、触らない」
「…誰かに言われたの?」
フルフルと首を横に降る。
「汚くないよ、雪は。大丈夫だよ」
ポンポン、と頭を撫でられるけどその手でさえ、僕の汚さが移ったような気がして。
…空くんは、わかってない…
「大丈夫、じゃない…。汚いの…っ、僕はもう…。ごめんなさい、嫌わないで…、いなくならないで…ごめんなさい、ごめんなさい」
ただ、その言葉しか出ない。
"ごめんなさい"って。
「雪、落ち着いて。…何があったの?」
「僕、は……淫乱、で…嫌なのに、嫌だったのに…願って、腰自ら振って………気持ちよくて、けど嫌で…空くんに知られて…拒絶されたくなくて…ごめん、ごめんなさい…、何でも、するから、…沙優ちゃんのところ行かないで」
自分でも途切れ途切れで全然説明にならないのは知ってたけど、とにかく嫌われるのが、拒絶されるのが怖くて。…沙優ちゃんのところに、行かないで欲しい、捨てないで欲しい。
もし、空くんが僕を捨てたら…、僕は。
「雪……途切れ途切れで良いから全部聞かせて。最初から…、大丈夫、どんなことしてても、いなくならないって約束する。だから、教えて?」
空くんを見上げると優しく僕を撫でてくれた。
僕はただ泣くことしかできなくて、部屋には嗚咽が響いた。
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