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疑いハレルヤ
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「じゃあね、良い子に寝てるんだよ」
空くんは僕の頭を撫でてカーテンを閉めて。ガラって音がしたから多分、午後の授業。
空くんが帰り際にぎゅう、と抱きしめてくれたから感覚がまだ残ってる。…空くんに、すぐに会いたくなる。また、抱きしめて欲しくなる。
…のは、欲張りだよね、なんて。
また暫くしてガラッと音がしたから保健室の先生かな、なんて呑気に思った。
その足音はだんだん僕に近づいて、カーテンが開いた。目を必死に閉じて、見ないようにする。…足音が、加賀美にしか聞こえなかったから。
多分またきて、僕にまたなんかするつもり。……空くんは、保健室にいてって言った。
から、逃げない。…けど、空くん……僕もう怖い。逃げたいし、隠れたい。
「…寝たふりなんかして、可愛いねぇ雪。…ちゃんと瀬崎は誤魔化せた?…嫌だもんなぁ嫌われるの。…ああ、可愛い。このまま本当は今すぐ食べちゃいたいんだよ、俺。でも誰か来たらさすがに困るからね」
目をうすら開けると加賀美がにっこり微笑んでいて。さっき、空くんにバラしたことは内緒にしといてって、空くんに言われたから口をつぐむ。
「や、…やめてください。本当にもう、もうやめにしましょう?僕は、加賀美…先生のこと、好きにはならない。」
「…強がりも可愛いね。…そのほっそい身体…可愛いピンクの突起…、なあ、また撫で回してもいい?…拒否権、ないもんなあ?ボイスレコーダー持ってるんだから。はは、可愛い」
睨みつけても微笑みをやめない加賀美。
空くん…空くん、心の中でずっと呟く。
加賀美が服の上から突起をつついた時だった。
「…何、俺の雪に許可なく触ってんすか加賀美先生」
聞きなれた声が聞こえたと思えば隣のカーテンが勢いよく開いて空くんが顔を覗かせた。
「な、……瀬崎、何しに…。どこに隠れてた」
「何しに…?は?…先生こそ、嫌がる生徒を脅して、何してるんですかね。俺がどこに隠れようがそんなの、どーでもいいだろ。」
「…ざ、残念だが瀬崎。…此奴はお前を裏切って俺にもっと、って腰振るやつだぞ。…俺も、昨日頼まれたからシた。ボイスレコーダーだって」
「…雪がやめてって言ってんのさっき聞こえなかったか?…先生さぁ、自分の先程の言動よ〜く思い出してみろよ。…あーあ、まさか自分が録音されてるなんて微塵も思わないんだよな、変態っていうのはさ」
空くんは黒く微笑んで携帯を取り出して指を指す。
「…雪に近寄んなっつたのにこれだからさ。……さすがに退職してもらわんと困るんすよ。…まあ?性行為までしちゃうとさすがに警察行きだよね。……もう二度とそのツラみせんな。」
空くんはニコリともせず、聞いたこともない低い声でそう言って僕の手を取って加賀美を残して保健室を出てそのまま職員室に。保健室の先生にさっき録音したものと、されたことを話したらその場で職員会議になった。
「加賀美……どうなるんだろう」
「懲戒免職だろ。でもって刑罰。そうされて当たり前のことしたんだし。御免、怖かったよなさっき。」
「…ううん、空くんが助けてくれるって信じてたから…平気。…あの、空くん、ありがとう」
へへ、と微笑むと「こんな可愛いもんなぁ」なんて空くんは小声で言って僕を優しく撫でた。
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