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何でもないよ?
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急に、不安になった。
もし、空くんに好きな人ができたら。
もし、その人が、女の人だったら。
社会は祝福したとしても、僕はきっと、いや絶対、祝福できない。
泣いて、泣いて、空くんを、ではなくて相手の女の人を、恨むんだろうなあって。
きっとそれは、惨め。
考え事をしているうちにさっきの女の人は目の前からいなくなっていて。
不安だけが、心に積もる。
「…雪?どうかした?」
僕が俯いていると上から声が降ってきて。空くんの、温かい声。不安になったって言ったら、空くんは、またかよって引くかな。それこそ、面倒臭い奴って思われて、捨てられちゃうのかな。
空くんがそういう人じゃないっていうのは十分すぎるくらい知ってて。
けど、やっぱり怖くて、捨てられたくないから我慢するしかないの。
だから、僕は笑顔を顔に貼り付けて言うんだ。
「ううん、何でもない。」
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