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世界の中心
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「空くん…僕、今日は和泉くんと花屋行かなきゃいけないから…また後でね!」
急いでご飯をお腹に入れて空くんにばいばいして和泉くんを引っ張って花屋に向かう。
「何でそんな急ぐのーっ?ゆっくりいこーよー!」
「空くん1人にしちゃうのやだから」
引っ張られながらもぽやんぽやんしていらっしゃる和泉くん。僕の世界の中心は空くんになっていて。空くんが今友達とかと話してるって思うだけで何かむううってなる。
「ユッケちゃんは瀬崎くんにひっつきすぎじゃなーい?たまには離れていいんじゃない?」
なんてほのぼのとした笑顔で言ってくれるから足が止まった。ひっつきすぎ。
そう思われてるのか、僕。
…そ、…そうだよ、自立?するんだった。すっかりまた忘れてた。
「ううう、そうだね…、和泉くん…ありがとう」
しばらくの我慢。落ち着いて歩こ…。
そこから花屋で花を選んで、学校に帰るまで、世間話を話した。家族の話、友達の話、数学の話とか昨日見たテレビの話、とか。
急いでたらきっと話せなかったこと。
「ユッケちゃんはさ、話したらほんわかしてんだから他の人とも話してみたら〜?…もう高3なんだしさー!」
そう笑顔で言われて素直に頷いた。
あと1年で卒業かぁ、…みんなバラバラになるんだもんね。
昼休み終了10分前!教室に帰ると、空くんは友達に囲まれてて。…やっぱり普段僕が独占してるだけで、空くんは人気者なんだなぁと実感。
空くんは、僕じゃない人を選ぶなんてありえないとまで断言してくれた。 だから、いちいちもう不安にならないけど……けど。
みんなに囲まれている空くんはキラキラしてて。男女問わず仲良くなれちゃうんだもんなぁ、すごいな。
思わず教室に足を踏み入れないで屋上へと足を運んだ。
「…大好きな瀬崎くんが遠い人みたい、って思ってるー?」
和泉くんは僕の跡を追ってついてきてくれた。
「…そうかも。僕と違って、空くんは交友関係広いし。」
分かっていたことだけど、実際見るのは違ってて。僕は今まで日向にべったりだったから、人との接し方をあまりよくわかってない。
どうしたら、人と仲良くなれるのかも。
頭ではわかっていても、やってみると違う。
「じゃあさユッケちゃん!委員の仕事以外でも俺と沢山話そうよー。練習だと思って!」
へへへ、といつでもにこやかな和泉くん。わんこ系男子ってこういうことを言うんだろうなぁ、としみじみ。
和泉くん、助かります。
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