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ギャップ
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昼休み空くんと話せてラッキー、なんて思ってたらあっという間に放課後…、うう、と唸る。
飯島さんに空くん取られてしまう…、
「そーらー、どうせだから一緒に行こ?」
解散の後にすぐに空くんにくっつく。腕なんて回しちゃってさ…、とかジト目で見ていたら空くんが僕の方を困り笑いして見てきてその手を軽く振り払った。
…ああ、優しい…、気遣ってくれたんだ。
そんな些細なことにもきゅんとしてしまう…。
空くんが御免、というジェスチャーしてきたからおそらくその子といくんだろうなぁと。
ばいばい、頑張ってと軽く手を振って教室でぼーっとする。
「やっほーう、ユッケちゃん!一緒に帰ろーう」
和泉くんがパタパタと僕の方まで走ってくる。
…ギャップ慣れないなぁ、と少し笑う。
「えー、和泉、木枯くんのことユッケちゃんって呼んでんの?なんで?」
和泉くんと仲のいい?クラスメイトたちがおもしろがってワラワラ寄ってきて。
「えー、雪だから?あ、でもだめだよー。ユッケちゃんって呼んでいいの名付け親の俺だけだから!」
「ふは、なんだよそれー。ユッケちゃんいいじゃーん」
「てめ何勝手に呼んでんだよ」
「え、今なんて言った?和泉」
「なんでもなーい!」
……今聞こえてしまった。ニコニコしている和泉くんからは想像もつかない言葉。
「とりあえず、俺とユッケちゃんかえるから!ばいばーい!」
なんて。やっぱりギャップ…、
みんな知らないのなんか嬉しいよね。
「和泉くん疲れないの?」
「すっげー疲れるけど…、怖がられるよりはましかな。」
そんなに怖がられたのだろうか。
和泉くん、いい人なのに。
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