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頭が花畑
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朝です。朝から花壇に水やりなんて、なんか……ロマンチック!だと思わない?
「お前の頭の中どうにかしろよ」
「え、なんでわかるの」
「顔?」
「ひどい」
…はい、今絶賛水やり。今日いうぞーって思ったら緊張してテンションおかしい。和泉くんは僕の隣で笑っている。
そんなひどい顔してたの?…僕。
「でもま、気楽に行けや」
笑ってくしゃくしゃ頭を撫でられた。
「…空くん、お、おはよう…!」
「雪?おはよ、どしたの?」
挙動不審すぎて空くんに笑って心配される。
「あ、あの…その、ね!えっと」
「空太郎ー!おっはよ」
言おうと思った瞬間に飯島さんに遮られた。
…ん?空太郎?
「ちょ、もうその呼び名やめろって。」
「いいじゃん、塾で皆に今日から空太郎って呼ばれるよきっと!ふふっ」
「夏菜も絶対あの先生からのあだ名付けさせるから覚悟しとけよー。ほらどっかいけ。」
…空くんの、焦った顔、けど確かに笑ってて。
いつの間にこんなに仲良くなったの。
切ない、笑わないと。
辛かったのは、それがなんか"普通"だと思えたこと。付き合ってるって言われても、ああそうなんだって思える、この自然さ。
「あ…っと、雪、ごめん、それでなんだっけ?」
空くんが、僕に話を戻してくれる。
僕は、あんな風に空くんとは笑えない。
そんな、笑ったことあったっけ?
「…ううん、何でもない。」
作り笑顔。今日の出来は最高かも。
自分でも、うまく笑えた気がする。
「それでね、空太郎…」
飯島さんが話し始める。
この場から、消えたい。
「ユッケちゃん!」
気づけば隣には微笑んだ和泉くんがいた。
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