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加賀美
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…なんでよりによって…
加賀美から声かけられんだよ… 。
まあ別に悪いことはされてないけどさ。
いや、身長馬鹿にされたか。
「……な、んですか。」
涙を必死に堪えようと思った。
まあ、無理だったけど。
「…こっちこい」
と言って手を握られて多目的室に
入らされる。ここにはあまり人が来ない。
そういう配慮なのだろう。
彼なりの優しさなのだろう。
「じゃ。」
とか言って多目的室に僕を置いてって
加賀美は部屋から出ようとしていた。
まあ、仲良くないし、邪魔になると
思ったんだろう。
「折角なんだから待ってくださいよ。」
と何故か言葉に出した。
苦手なのに。加賀美は表情を一つも変えず
ドアノブを掴んだ手を離してこっちに
向かってきた。
「…んで。どうしたんだ?」
と、首を傾げて。
どうしたんだ…って。
「話さなくてもいいじゃないですか…」
某然とする。優しさなんだろうけど
なんかこう……もっとさ、
優しさってあったかいものじゃん?
なんの温かみもないんだけど。
「…すっきりするだろ。だいたい、俺がここにとどまれと言われたから、お前は話す義務がある。そうしないとフェアじゃねえだろ………?」
なんか、論理的というべきか、
硬いのか…… 。
まあ別に、ゲイだっつても加賀美だし、
嫌われても別にいいか… 。
「…日向が構ってくれない」
顔がむすっとなるのが自分でも分かる。
今頃きっとイチャイチャしてるんだろうよ。
いらつく。泣きたい。また涙がポロポロ
でてきた。弱いな、僕。
「あー、いつもお前一緒にいるなぁ…。
今日は倉持と茅野仲良かったよなー」
と、加賀美が静かに言う。
なんでそんなことまでしってんだよ… 。
ストーカーかよ。
クラスの友人情報全部監視してんのかな、
敵に回すと怖い怖い。
「僕…今日の朝に間違って、日向に
告白?しちゃったんです…。加賀美…先生、
引くかもしれないです…けど、僕は、日向の
ことがですね……! 」
「好きなの?」
言うつもりだったのに言われてしまった。
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