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帰る
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掃除しているときに気がついた。
僕...誰と帰ればいいんだろ...
まぁ一人で帰ればいいんだけどさ。
やっぱり寂しいじゃんか。
「で、またどうしてここにくるんだ。」
気がついたら放課後、鞄を持って
多目的室に行っていた。
「なっ!来ていいって言ったじゃん!!」
だから来たのに。
いや、言われてなくても来てたと
思うけど…。
「まあ、でもこんなに早く来るとか。お前は犬か」
と、苦笑された。
犬...そんなかわいい物ではないけど。
でも、真顔で言われないだけ、
なんだか嬉しかった。
「あー…でも俺、帰宅すんのは遅いし、
帰りだけは勘弁な」
それだけ言われて仕方なく一人で帰る事にした。
少ししょぼんとしながら。
「あー…御免って。早く帰れるときになったら
いうから。な?まぁ、それまでに仲直りしてもらわんと担任としても曖昧だが。」
嬉しさ半分、悲しさ半分。
嫌われた…?
”それまでに仲良くしてもらわんと”
そればっかり耳に再生される。なんだか、寂しい。
「ははっ、ごめん。じゃ、帰るね。また明日!」
最後の方は加賀美の顔なんて見られなかった。
「あ、うん、じゃあな」
とだけ聞こえたときにはもう、僕はドアをしめた。
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