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傷物の君 三
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アパートにある自分の部屋に着くと、俺は直ぐに手を洗って喜津愛を風呂場に連れていった。
腰に巻いてあるタオルをとってみたら、やっぱり男の子だった。
タオルは氷水の中にあったのかと疑いたくなるくらい冷たかった。
「喜津愛?」
俺がシャワーのスイッチを入れると、喜津愛は慌てて俺の後ろに隠れた。
何してるんだ。それじゃあ身体が洗えないだろうが。
首を傾げながらシャワーを向けたら、喜津愛は首を振って、俺の足を掴んだ。
……もしかして、水が怖いのか? あるいはお湯が怖いのかもしれない。
水やお湯を使って色々された経験があるのかもしれない。やけどはしていないみたいだから、もしかしたら水責めでもされたのだろうか。
「喜津愛、大丈夫。俺は喜津愛が嫌がることはしない。ただ喜津愛の身体を温めたいだけなんだ」
「やっ、やだ!!」
「やだって……今は寒いだろ?」
「やぁ……」
泣き出してしまった。
どうしよう。
子守りなんてしたことがなかったから、泣き止ませる方法がてんで思いつかなかった。
とにかくシャワーはダメだよな。
「喜津愛、ここ座ってて」
お湯の入っていない浴槽に喜津愛を入れると、俺は一旦風呂場を出た。
俺は洗濯機の上にあったタオルを手に取ると、それをシャワーのお湯で温めて、喜津愛の身体を拭いてやった。
これは身体を洗うために用意していたものだから、濡らしても問題ない。
「ひぁ、あ」
タオルが胸に触れると、喜津愛は声を上げた。まるでレイプをされた女の子が出しているかのような、熱っぽくて高い声だった。
レイプをしたことなんて一度もないし、恋人がいたことだって片手で数えられるくらいしかないのにそう思った。
聞き間違いか?
「あっ」
もう一回同じところを拭いたら、喜津愛は同じように声を上げた。
俺は慌てて、拭く場所を変えた。
嫌な予感がして、冷や汗が流れた。
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