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stgr世界線
rdホスクラ・nq女装注意
BL要素あんまりない。次から…。
__________
「ありがとうございました〜」
今日も今日とて、退勤後ホストで働く俺。
警察の仕事はどうしたのかって?白の警察だって、所詮国へ奉仕する只の公務員だ。
前提として給料が命懸けで臨む仕事としては断然安い。賃上げは然るべきことだと思う。
しかも、仲間は目まぐるしく闇堕ちしていく。
どんなに今まで一生懸命働いていた仲間でも、容赦なく闇へと堕ちていく。その人の意思で。
そんなことがあっても、俺はギャングや半グレの奴らを軽蔑はするけど仕事関係で差別したりはしない。軽蔑の感情を表に出したりもしない。
切符の分の金払って貰わないと困るし、ね。
シャンパンが注文された時の騒がしい決まり文句が聞こえ、そちらに目を向けた。
新しい客がいた。整えたショートカットの桃色の髪が艶かしい。濃い化粧に、露出が少ない服装。
体のラインこそ細いが、…胸のふくらみがない。
…嗚呼、この人。
きっと、女装だ。
それにしても、どこかで見たことがあるような。
相手に促されるまま酒をガブ飲みしているが、大丈夫だろうか。既に頬が赤くなっている。
瞳を動揺したようにつぶさに動かしているので、道に迷ってここに入ってしまったのかも知れない。
だとしたら可哀想だ。
流石に常識が通らない場所過ぎる。
「お客様、大丈夫でしょうか?体調が万全ではないご様子ですけれども、外までご一緒いたしますか」
そっと声を掛けた。
「え」
彼女…彼の瞳孔がきゅっと縮まった。何かおかしなことがあっただろうか。周りを見渡しても、特に異変は見つからない。
「何かありました?」
「え、あ、いえ…お願いします」
酔いは覚めたようだった。
声は高い。だけど、何と無く機械音っぽいノイズが混ざっているように感じられる。
変声機か。
小型の変声機でもどこかに仕込んでいるのだろう。一体そこまでしてなぜ女装がしたいのか。
「お客様、こちらへ」
彼の手をひいて店の外へ出る。この街は夜の方が活発に動く。周りの街は到底敵わない。
この街の、独壇場と言ったところか。
「あ、ありがとうございます」
「いえ、大したこともしていませんので」
彼は困ったように目を逸らして何かを考えている素振りを見せた。そもそも本当にこの客が男なのかすらわからない。勝手な推測が外れても、俺が恥ずかしいだけだ。
彼は口を開いた。
「あの、…らだお、だよね」
「えっ」
誰だこいつは。知らない。
ここは俺が働いているロスサントスからひとつ離れた街だ。そうそう知り合いなんて遭遇しないはず。
だって、ロスサントスから遠いというのは給料の高さと並んでここを職場にした理由だから。
なんでこいつに俺が青井らだおだと言うことがわかった?
「まず変声機、その後にそのカツラを取れ。お前男だよな」
咄嗟に出だ言葉が、脅迫じみた内容になってしまった。だが、実際脅迫なのだからいいだろう。
彼は、行動ひとつひとつを凝視している俺を不可解なものを見るかのような面持ちをしながら、何の抵抗もなく変声機を外した。
「あ、えっと、力二だけど」
「へ」
りき、じ?力二って、カニのことか。
「カニ⁉︎⁉︎」
予想外だ…。
どうやら彼の話によると、ここ、ロスサントスの隣街にはカニの姉が住んでいるらしい。
姉も警察で、その上司との飲み会に参加するはずだったのが、男と予定が入ったので、代わりに女装したカニが行くことになったのだとか。
いや、なんでだよ。おかしいだろ。弟に自分の格好させないでしょ。異性だし。
というかカニって姉いるのか。初耳だぞ。
「…大変だったんだね」
「うん」
至るところから彼の努力が汲み取れる。
元々顔が整っていてで素質があるからっていうのもあるだろうけど、だいぶ頑張っている。
ロングスカートだって彼は好んで着ない。日本人の男性はみんな着ないけどな、普通。
「俺が払うから飲み会行っといでよ」
流石にここは奢っとかないと先輩の尊厳が消え去る。
俺のホスト仲間に連れてこられて遅れているわけだし。格好いい先輩でいたいんだ、いつになっても。
「なんか俺飲み会行くのやーめた」
「うぇッ⁉︎」
そんな気分で決めていいことなのだろうか。頼まれて身なりもここまで頑張ったのだから、飲み会ぐらい行ったらどうなのか。
「行か、ないの?」
「辞めた。高級ホテルの54階で高級な酒と高級な飯を高級な服装の奴らと食うとか俺のやることじゃねぇし」
確かに、飲み会と言ったら居酒屋をイメージしてしまうが、彼の格好は絶対居酒屋に行く格好ではない。
ホストクラブにいてもおかしくない格好ということで、あとはご想像にお任せいたします、けど。
そのご立派な山程の修飾だらけのドレスのような服と、名前なんて見当もつかないような宝石が輝くアクセサリーはどうするのだろう。
レンタル物なのか、お姉様のものなのか。はたまた、彼が注文したものなのか。
彼が注文したとすれば、体のラインが見えにくいはずなのに美しく細く見えるので、きっとブランド品の特注品だろう。
…いくらするんだろ。考えたくないや。
でも、光惚するような姿だ。
綺麗だ。美しい。
…カニなんだけど。
「俺ん家泊まる?」
軽い気持ちで聞いた。
彼もまた、軽い気持ちで断ると思っていた。
「泊まろっかな」
その言葉も、予想外だった。
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読んでくださりありがとうございます。
絶対長くなります。了承願います。
次R入るかも。
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