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B A C I ! -可愛いあの子を嫁にするのはこの俺だっ!-
03
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ゆいたんは、通訳の両親の都合でアメリカ生まれで、生まれつき声が出しにくい持病があるうえ、ずっと向こうで暮らしていたから、最初はちょっとの日本語しかわからなかった。
でも、子供だったから、言葉の壁とか、同性だとか、そんな事考えることもなく、自然と仲良くなって、気付けば隣にいることが当たり前になっていた。
何をするにも「ゆいたん」「ぜんちゃん」て二人くっついて回って、それは成長を伴っても変わることはないと思っていた。
だけど、成長するにつれてわかってくる、現実。
男同士は、いちいち手を繋いだりしない。
男同士は、ひとつの布団で寝たり、おやすみやおかえりのキスをしない。
男同士は、大好きだよって言い合ったりしない。
男同士は、結婚できない。
そういう、現代日本における俺たちのアレコレを考えた時、俺はゆいたんに想いを告げることを諦めるべきかって悩んだりした。
でも、色々あって俺は結局諦めないことを選んだ。
だけど、ゆいたんは違ったんだ。
「大好きだよ、大きくなったら結婚しようね」って幼少期からずーっと言い続けちゃったせいか、ゆいたんは俺のプロポーズを、あろうことか冗談みたいに捉えるようになってしまった。
昔は「うん。ゆい、大きくなったらぜんちゃんのおよめさんになる」ってホワワ~って笑ってくれたのに…。
だから何だか、いつの間にか俺まで冗談みたいに毎日愛を伝えるようになっちゃった。
それが今日まで続く、一日一回、365日プロポーズ。
ゆいたんの返事も、成長するにつれて、
「うん」から「う~ん…」へ、「でも…」から「ううん」へ、そしてついに今日「無理」とまで来てしまった。
今ではもちろん手を繋いで帰ってくんないし、おやすみのキスなんてもってのほかだし、人前でイチャイチャしようとすると嫌そうに押しのけてくる。
きっと、天然ぽいとこのあるゆいたんもようやく大人になったって成長を喜ばないといけないことなんだろうけど、俺はというと大ダメージ。
ただでさえ可愛いゆいたんだっていうのに、ゆいたんパパの母校だからって入った高校は、男子校だし…。
ゆいたん、昔から可愛い可愛いってなんだかんだモテるし、告白されそうになるたび俺が跳ね返してきたけど…。四六時中一緒にいる事を嫌がられるようになった今、心配だし、正直、焦る。
大好き、って言うのは簡単。
ていうかいつも言ってるし。
だけどさ、もし、この気持ちを本気で伝えたら、
こんな俺達の関係って──一体、どうなるの?
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