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B A C I ! -可愛いあの子を嫁にするのはこの俺だっ!-
06
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本気で好きって伝えたら、せめて少しは考えて、ごめんなさいしてくれるんだと思ってた。
それでも諦めるつもりは無かったし、もしかしたら、頷いてくれるかも…なんて、ほのかな期待もあったけど。
それなのに、実際は信じても貰えないなんて──。
あーあ。
もう…
あーあ!
「えっ…何す…痛いよっ、全っ!」
結威の抵抗もきかずに、全は結威の顔を掴み、再び噛み付くようにキスをした。
夕暮れの風が開けっ放しの窓から入り込み、煽られたカーテンが二人の上に影を落とす。
無理やり開かせた結威の口内に舌を差し込み、甘い蜜を絡めていく。
明らかに先程の触れるだけのキスとは違うキスに、結威は戸惑い、抵抗していたが、力勝負では明らかに分が悪く、やがて立つ力すら抜けていった。
全は崩れ落ちた結威の腰を引き寄せ、足の間に膝を差し込む。
そして背中から制服と体の隙間に指を滑り込ませると、結威はビクッと飛び上がり全を押し返した。
「っ!?ひゃら、はなし…んぅうっ…──ッ!…嫌だぁっ!!」
全力で肩を押されて、つい力が緩んでしまった。
突き飛ばされた衝撃で背後の本棚にぶつかり、本がバラバラと落ちる。
同様に本棚にぶつかった結威が、崩れ落ちた本の中にへたりと座り込んだ。
見開いたまん丸の目から、夕日色の涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
うわ、綺麗…。
「…や……な…なに…?いま……な…なんで…?」
「ゆいたん…ごめんね、やりすぎた…大丈夫?」
カタカタと震える結威に、さすがに罪悪感を覚え、全がそっと手を伸ばす。
しかし結威はその手を振り払い、真っ赤になった顔を背けて駆け出した。
「ゆいたん!」
その背を追いかけて、出口近くに置いてあった通学カバンを拾った所で捕まえる。
それでも抵抗する結威を力ずくで引き寄せ、後ろから抱きしめた。
「嫌だっ…やだ!触るな!もう帰るっ…全、今日何か変だよ!」
「変…?どこが?ゆいたんのこと、好きだって言ったこと?」
「そうだよ!変だろ、急にそんな…!」
「…変?俺がゆいたんのこと好きなの、変だと思うの?俺のこと…気持ち、悪い?」
「……っ!」
肩を掴んだ手に力を入れると、結威は顔をそむけたまま、黙り込んだ。
そうだよ、嫌い、って突き放せばいいのに、たとえでまかせでも言えずに口を噤む切ない呼吸が、たまらなくいじらしい。
全が無意識に結威に唇を寄せ、耳元に擦り寄る。
耳元に響いたリップ音に、結威は慌てて振り返り、精一杯全を突き放した。
耳まで真っ赤になった泣き顔が、戸惑いを浮かべて全を見つめる。
「い、嫌だっ!待って…全、やっぱりなんか変だよ…な、なんで急に、こんな…おれ、何かしたの…?」
「違うよ…ねぇ、ゆいたん、ちゃんときいて。俺、ゆいたんが好きなの。結婚したいくらい愛してるの。ゆいたんの全部が欲しいの。だからこっちみて。お願い、真面目にきいて」
「…っそんなの急に言われても、し、信じられないよ…!変だよっ…今日の全…こ、こわい…っ」
縋るような全の視線から逃れるように、その目は警戒して足元の距離をはかり、潤んだ目はポロポロと涙を零し続ける。
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