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居酒屋!
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キス事件の3時間前。
そう確か。
予備校の帰り道。
17時頃。
肩がぶつかってしまい、
ごめんなさいと顔を見上げて。
目が合ってしまって。
思わず叫んだんだった。
「高岩先輩!?」
「田代くん!?」
俺の顔をみて、驚いた表情からいつもの笑顔を浮かべた。久々の先輩.....なにも変わってない。
ああ、それに、
やっぱりこの笑顔が好きだな。
先輩は親指を立たせて、進む方向を指さした。
い、一緒に行けってこと?
いま来た道戻るの?
でもせっかく会えたんだから
話したいし、まあいいか。
「田代くん、俺遅刻しそうでやばいんだ、ちょっと歩きながらでいい?」
遅刻しそうなんかい。
どこ行くんだろう。
「どこか行くんですか?」
「えっと、大学の飲み会」
「へえ、大人ですねえ。」
「そっか、まだ高校生か」
「はい」
「私服だからか、分からないけど高校生に見えないな」
「あーよく言われます。でかいからかな」
「うん、俺と同い年にしか見えない」
あ!と声を出す先輩に
思わず顔を向けてしまう。
「田代くん!」
「はい!」
「この後空いてる!?」
「はい!.....って飲み会連れていく気ですか!俺未成年!」
「まだ夕方だから大丈夫じゃない?飲ませないし。ちょっと顔見せるだけでいいからさ。」
相変わらず適当な先輩!
よく生徒会長務められましたね!
(憧れの人に言う言葉じゃない)
「いやいやいや、俺一応生徒会長なんで!」
「え!田代くん生徒会長やってるの?」
「あ、はい、そうなんです..」
「おそろじゃん、あとなぜ照れた」
「いやあ、あはは」
「そうか...寂しいけど仕方ない。じゃあここでお別れだな」
足を止めて、こちらを向く先輩。
夕日に照らされて、表情がよく見える。
あ、お別れ。か。
「なにかの縁っていうか、連絡先交換しとく?高校んとき交換したことあったっけ。」
「いや、ないです!欲しいです!」
「あはは、声大きい。俺の連絡先これ、いまスタンプ送った」
なんでもない帰り道。
こうして出会えて
憧れの先輩の連絡先までもらえて。
へんな動きをするペンギンののスタンプもみれて、
「俺今日いい日です!」
「あはは、そうか!」
ばしばしと背中をたたかれる。
ちょっと痛いけど。懐かしいこの感じ。
「んじゃなあ」
「はい!」
こうして連絡先を交換したけど、
もう会うことはないんだろうな。
という切ない気持ちになっていたのに─────
なんで俺!
先輩を迎えに来てるんだっけ?!?!?
「電話突然ごめんな、弟くんなんだよね?」
「いや!違いますけど!?」
「あ、そうなの。おかしいな。高岩酔って間違ったのかな」
普通、高校生に迎えに来させますかね...
俺。家近いからいいけど.......
「あーいや、どうしよう」
「あ、俺!送りますよ!」
ここまで来て、帰るのは。それにもう会えないと思ってた人にこんな早く会えて、少し嬉しい気持ちがあるのも否定できない。
「結構酔ってるけど、大丈夫かな?」
「あ、どこにいるんですかね?」
ちらりと店内をのぞくと、どっと笑う賑やかな声や威勢のいい店員さんの声が耳に入る。みんな楽しそうに飲んでるんだな...いいな、大人って。俺も早くこういう飲み会とかしてみたいな。
「あ、悪い電話、高岩1番手前の席座ってるから、じゃ、よろしくな、ごめんね」
そう言いお友達らしき人は、申し訳なさそうに手を合わせて壁の方により、スマホで会話を始めてしまう。
ふう、どうしたものか。
しぶしぶお店に入り、手前の席を覗き込むと、顔を赤くして、テーブルに突っ伏している高岩先輩が目に入る。
ちゃんと酔ってる......寝てるし...
さっきまでいつもの先輩だったけど、
酔うとこうなるのか。弱いのかな?
スヤスヤ寝ていて、少し可愛い。
周りに座っている人達も俺に気づいていない様子で、大きな笑い声をあげていたり、泣いてる方もいたり、皆様かなり酔っているご様子。
これをカオスというんだな...
なんてよく分からないことを思ってしまったり。
気まずい.....
高校生なんですけど.....
慣れてないって俺こういうの。
そもそもなんで俺の事
弟なんて言ったんだよ、この人もう〜
「先輩...先輩っ」
肩を少し揺すってみると
眠そうにこちらに顔を向けた。
あ、焦点があってない.....
俺ちゃんとおうちまで運べるかな。
先輩170くらいだから、
わんちゃん、いけるか......
いや、担げるかな.........
「歩けますか?」
そう顔をのぞきこんだ途端、胸ぐらを掴まれて、息がかかる距離へと引き寄せられる。
え?
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