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Yes!Lovin'you!
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【song by:高橋直純】
高校生パロ
今年の春、高校生デビューし、毎日が初々しく過ごしていた。しかし入学してから一ヶ月程経つのに未だにクラスメイトとは馴染めない。自分から声をかけないし声かければ多分周りからガリ勉だから声をかけるのが難しい。話の仕方が分からない。なんて言われてそう。孤独感がありつつもいつも通り自分の席で昼食を取る。席は窓側の一番後ろの席。スクールバッグから弁当を取り出し包みから外そうとした時、突然、机の上に弁当を置き「一緒に食べよ」と言ってきた人物がいた。
「確か・・・藤ヶ谷だっけ?」
「大正解!藤ヶ谷太輔です。横尾渉でしょ?俺、前から話したかったんだ」
「そうなの?俺なんか話出来る?未だにクラスメイトと馴染めてないし常にぼっちだよ」
「俺がいるじゃん」
椅子を俺の方に向け弁当の蓋を取った。藤ヶ谷の弁当は海苔で作った兎のキャラ弁。可愛らしい弁当。それに対して俺は緑系と赤系の野菜を中心にした弁当。最近、身体を気にして野菜を摂取している。
「ねえ、お弁当、自分で作ってるの?」
「うん。料理好きだからね」
「今度、俺にも作ってきてよ」
「えー、仲良くなってからね」
「なにそれ・・・」
「あっ・・・ごめん。じゃ・・・明日作ってくるよ」
「本当!?嬉しい!」
藤ヶ谷のご機嫌と取った俺は昼食を取りながら明日の弁当のおかずを決めていた。藤ヶ谷はなるべく仲良くできるよう俺に話しかけながら昼食を取っていた。俺はただ「うん。そう」しか言えなかった。少し人見知りが発動している。それでも藤ヶ谷は話しかけてくれた。食べ終わると同時に藤ヶ谷も食べ終わり「ごちそうさま」と言い片し始める。俺も片してスクールバッグに空になった弁当を入れると突然、藤ヶ谷が「屋上行こう」と手を掴まれ教室を出た。
「えっ!ちょっと!」
そのまま連れて行かれ屋上に向かうと鍵が開いていて外に出ると頭上に手を伸ばし「気持ちいい」と言いその場でくるくる、と回り出した。まるでバレリーナみたいな感じ。そのまま歌い出しその歌声に天使みたいと感じた。その光景を見つめていると「渉」と言い微笑んでチャイムが鳴り響き再び手を掴まれ屋上を出た。
放課後、俺は野球部に所属している為、部室に向かいユニフォームに着替えグラウンドに出た。そこには数人集まってウォーミングアップしていた。キャッチボールしてると「渉!」という声に振り返るとそこには昼休みに一緒に過ごした藤ヶ谷がいた。部員から「え?!藤ヶ谷と友達なの?!」「そんなに仲良かったの?!」て驚いていた。え、そんなに驚かれる事なのか。て言うと藤ヶ谷と中学校が一緒だった部員が「藤ヶ谷はいつも独りぼっちだっだよ」とそう言っていた。そんな風に見えなくて藤ヶ谷に手を振ると笑顔で手を振ってくれた。その笑顔に部員が驚いたのか「あの藤ヶ谷が?!」なっていた。
「横尾、ボール投げて」
「はい」
投げようと思ったら「俺じゃない。藤ヶ谷に向かって投げろ」と言われてなんのこっちゃかと思って藤ヶ谷に向けて投げると笑顔でボールを受け取った。
「ありがとう!渉」
さっきから気付いてたけどいきなり下の名前で呼ぶから気持ちが焦るじゃん。家族くらいしか下の名前で呼ばれるから同級生、しかも男子に呼ばれるなんてドキッとした。部活が終わると「渉、帰ろう」と誘って来た。
「うん」
「渉と一緒にプリクラ撮りたい」
「は?」
「ねえ、駄目?」
首を傾げてそう言う。その表情と仕草に心が揺らいだ。俺は「プリクラ撮りに行こうか」と言うと嬉しそうにして俺の手を掴んで走ってゲーセンに向かった。いざプリクラを撮ろうと中に入り藤ヶ谷は慣れた手つきで操作を始める。
「渉、撮るよ」
「あ、はい」
これも慣れた感じ。俺は藤ヶ谷に任せっぱなしでシャッターが下りる。二枚目を撮り三枚目に突入した時、藤ヶ谷が俺の頬にキスをした。突然の事に頭がフリーズし言葉が出なかった。
「吃驚した?」
「うん。急にキスするから」
「だってキスしたかったんだもん。渉の事、好きになっちゃった」
「え・・・?」
はい、また頭がフリーズ。俺の事好きになっちゃった?まだ知り合って数時間しか経ってないのに。プリクラを撮り終わりハサミでプリクラシールを二等分に切りながら藤ヶ谷に問いかけてみる。
「俺の事好きなの?」
「うん!だからキスしたの」
「まだ知り合ったばかりだよ?」
「そう。だけど前から好きだったの。所謂片想い。いつかはお話したいな、て思って今日思い切って声かけたの」
「そうなんだ。ありがとう」
「お礼を言うのはこっちだよ。独りぼっち卒業」
「俺も卒業。藤ヶ谷が声をかけてくれなかったらずっと独りぼっちだよ」
「お互い卒業だね。ねぇ、渉」
「何?」
「好きだよ」
「ありがとう」
「渉は俺の事好き?」
「え、あ、急に言われると困るな」
「そうだよね、ごめん」
「大丈夫。改めて好きて言うよ」
「本当?!」
「うん」
「ありがとう。好きになって欲しいからアピールするね」
「程々にしないと俺、困るから」
「分かってる」
ゲーセンを出ると外は暗くなっていた。手を繋ぎアスファルトの上を歩きながら中学校時代の話になった。常に独りぼっちなのはお互い様。でも今日で卒業。ありがとう。藤ヶ谷の事好きになれるように努力します。
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