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4月 入寮日
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「へっくしっ」
瀬川 和樹(セガワ カズキ)は桜舞い散る中で、1人盛大にくしゃみをした。ポケットからティッシュを取り出して鼻をかむ。
やっぱりマスクしてくればよかった…。
むず痒い目を擦り、使用済みのティッシュを捨てるべくゴミ箱的な何かを探した。
和樹は花粉症である。
特に4月に入ったばかりのこの季節は特にヒドく、皆が新学期が始まると浮かれている今日も、和樹は憂鬱だった。
ここ私立桜ヶ丘高等学校は4月6日に入学式が行われる。
今日はその前日で在校生の入寮日だった。新2年生になる和樹は校舎の裏にある寮に向かって歩き出した。しばらく実家に帰っていたので、ここに来るのは久しぶりである。学年が上がる度に部屋割りも変わるので、荷物の整理をして新しい環境を整えなければならない。
なにより…。
「まともなヤツがいいなー。同室者」
部屋は2人部屋で、もちろん相手は選べない。
去年の相手は本当に嫌なヤツだった。そのせいで1年の時は、まともな高校生活を送れなかったのだ。
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