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翠、と名前を呼ばれ忍足の顔を覗きこんだとき。
ちゅっ、という音と共に唇に触れた感触に一瞬俺の思考がフリーズしてしまう。
え…………? とパチクリと瞬きを繰り返したあと、ゆっくりと視線を下へずらせば最初に形のいい鼻が目に映る。
鼻…………うん、鼻だな。
次に目の前へと視線を戻して見る。次に映ったのは長い睫毛に縁どられた切れ長の瞳。
それは見た事のある…………いや、既に見慣れてしまった友人のモノで。
あれ、なんでこいつこんな目の前に顔持ってきてんだよ。つか近! 顔近!!
てかちょっと待て。今、これって。
もう一度パチパチと瞬きをして、今度はじっくりと眼前のモノを見れば……。
「〜〜〜っ!」
声にならない叫びが部屋の中を木霊する。驚きに固まっていた身体を動かしてガッと広めの肩を掴んだ。
「おま、なにやっ……!?」
キス? こいつ俺にキスしてやがる!!
やっと今起きている状況を頭が把握して、批難をあびさせてやろうと口を開けば今度はぬるりと口内に侵入してきた奴の舌にくぐもった悲鳴をあげた。
「んっ……んんっ!?」
うわあああ舌! 舌入って来た舌あああ!!
最初にも言ったように俺はまだ一度たりとも彼女を作ったことがない。だからと言って別に彼氏ならいるとかそんなふざけた話じゃなく、ほんとにまだ何も知らない純真な男の子なんだ。
ああなんか自分で男の子なんて言ってなんか気色悪いけど、だから、何がいいたいのかと言うとキスなんて子供の頃母親にちゅっとされたくらいで、今みたいなキスなんてした事ないんだよ!
男に、しかも忍足にキスされてるってだけでも心臓が止まりそうなくらい驚いてるってのにその上、し、し、舌とかって…………。
放せ! 放せよ!! と心の中で怒鳴り散らしながらボカボカと力の入らない拳で届く範囲の奴の身体を殴り続ける。
でもひょろひょろした攻撃が奴に聞くはずもなく、あっさりと掴まれた腕はそのまま後ろのソファーの背もたれへと押し付けられて動きを封じられてしまった。
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