アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
じゃあ、もし
-
ただ綺麗と言うだけで男の優木理央にここまで執着してる自分がいて驚いた。しかし、全く嫌な気もせず戸惑ってしまう。そろそろ抑えが効かなくなってしまいそう、そんな気がしてそれなりに残っている理性でなんとか平静を装った。
「なーんてね。不良の優木理央君がキスだけでこんなになっちゃうとか、やばくね?」
普段人と関わらないだけでクールとか冷たいと言われてるからこんな事想像もつかないだろう。
「お前がやったんだろ…」
手の甲で口を押さえながら伏し目がちに言ってくる。
「悪かったって、理央って弄りがいあるよねー」
「…名前」
「あれ?理央であってるよな?」
態とらしく言ってみたら、戸惑いながらも頷いた。
「お前さ、キスとか…そういのふざけてすんなよ」
「……」
顔を赤くしながら途切れ途切れに言うその姿が可愛くて少しドキッとしてしまった。
「本気にした?」
「ばっか!ちげぇよ!!」
顔を真っ赤にして否定してくるけど嘘ばればれ。と思ったら急に暗くなる顔。
「俺お前になんかした?」
「はぁ?」
「ぶつかったの悪かったって…でも俺も悪気があったわけじゃないし」
何言い出すんだ、こいつ…。
「お前俺にぶつかられて腹立って嫌がらせしてるんだろ?」
「なに、嫌がらせって」
「だからー、そのー、キス…とかだよ」
何を言い出すとか思えば…そんな事をまだ気にしていたのか?俺より気にしてんの理央の方じゃん。ていうか俺のイメージどんだけ器小さい奴なの。
「違うのかよ…」
「お前なぁ…ていうか、嫌だった?やっぱり」
「は?」
「キスだよ、キ!ス!」
「はぁあ?!…………っ、い、嫌じゃなかった…け、ど」
再度真っ赤になりながら視線を俺からズラして言う優木。可愛い。
優木ごときにドキドキさせられてるのが気に入らない…。
「いや、別にお前のキスが上手かったとかそんなんじゃねぇからな?!ていうか、さっきも言ったけどふざけてああいう事すんな!!」
…上手いって思ったのか。
素直じゃなさすぎて笑えてくる。いや、これはある意味素直なのか?
「じゃぁ、もし」
冗談じゃなかったら?
俺がそう言おうとしたとき、俺を呼ぶ声がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 231