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球技大会当日まで:1
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「お前らちゃんと練習しとけよー」
「やってるからー」
「負けねぇし!!」
担任の発言にクラスが少しざわつく。
「なになになになに、何の事?」
「お前な…」
ざわつきの原因が分からず近くにいた翔に聞けば呆れる様にため息をつかれた。
「来週球技大会あるだろ」
「は…知らないんですけど」
「お前が話聞いてないだけ」
俺が知らない間に…多分俺が担任の話を聞いてなかったんだろうけど、なんだか来週に球技大会とやらがあるらしい。
もともと行事ごとに興味があまりなかったから特に参加するつもりはなかった。なかったのだが、
「で、お前何の種目でるの?」
「俺でねぇよ」
「バカ、全員強制参加だよ」
「はぁ?」
はなっから参加しないつもりでいた自分にとってはかなりの衝撃事実である。何も知らなかった上に参加しなければならないとか。
「なにそれ」
「って、会長が言ってたよ」
「……」
あいつか、あいつの仕業なのか。
別に参加したくない訳ではない。参加する事に興味がないだけで。これが普通の高校生ならこの手のイベントには生き生きと参加するんだろうけど…。如何せん面倒臭がりな性分で、やる気出せやら覇気がないやらと翔には耳にタコが出来るほど昔から言われ続けてきた。
「めんどくさ…」
「知らねぇよ」
「………翔何出るの?」
「俺?サッカー」
「え?!バスケじゃねぇの?!」
「部活の種目出れないんだよ」
確かに翔なんかがバスケ出たら点取りまくりそうだもんな…。バスケが個人競技でないにしても翔1人がいるだけでチームの勝率は上がるだろうな。
「えー、じゃあ俺何でよー」
「バスケは?」
「バスケぇ?」
「シュート練くらいなら教えてあげれるし」
「うーん」
「たまには積極的になれ」
確かに翔の家ならバスケットゴールもあるし練習つけてもらえるけど…。積極的かー。
「どーせお前暇だろ?」
「翔は忙しいじゃん」
「別に」
「別にって…部活の後とかは無理だろ」
「部活終わりにお前に教えるのくらいどうってことない、というかお前が球技大会にやる気だしてくれるならそれくらいの事気にならない」
とりあえず参加はちゃんとしよう…。ここまで翔に言われて出ないわけにもいかないし…。多分翔にとっては俺が学校に来てる事自体奇跡だろうから、うん。たまには翔を安心させてやりたい。
「んー。頑張る」
「おー」
ポンポン、と軽く頭を叩かれた。
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