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球技大会当日:1
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「だるい…」
「一日だけなんだから頑張れよ」
「うん…」
体育館に生徒が集まり球技大会の説明を受けている。俺と翔は列の後ろの方にいた。久しぶりにこういった行事に参加するもんだから身体が追いついていかない。早起きは三文の得って誰が決めたよ…。
「あれ?理央じゃん。え、お前球技大会参加すんの?」
翔と話していたら飄々とした声がかかる。振り向けば白衣をきたチャラい男が1人。
「何、けーちゃん…」
「いや、珍しいなって」
「翔が出ろって」
「あ、井下君久しぶり~」
「どうもっす」
「俺の言う事は聞かないのに井下君の言う事は聞くの?頼むよー、井下君。こいつに保健室でサボんないよう言ってやって」
「おい、翔使うな卑怯だぞ」
「うるせー」
多分球技大会ってことで救護担当なんだろう。ペラペラ喋った後に教師陣の中に入って行った。
「あ、タオル忘れた」
「まじかよ、キツイな」
教室に戻ってから準備をしているとタオルを忘れた事に気付いた。汗をかくのになんという失態。一気にやる気が削がれた。すると、
「あ、あの、優木くん…!」
「…え、あ、はい」
「えと、良かったらこれ使って!」
「え!?…いいの?」
「うん、私余分にあるし…」
「…ありがとう!」
「!!…あ、それ、返さなくていいから、じゃあ頑張ってね!」
「あ!ちょっと…!」
近くの席にいた女の子が俺にタオルを渡してくれた。そうそうクラスの人から声をかけて貰う事がない、男子はまだしも女子なんて皆無に等しい。それ故にかなりの嬉しさを覚え心からのお礼を言った…つもりなのに何故かわたわたしたまま早急に教室を出て行ってしまった。
「…罪な男だな、お前」
「は?何が」
「いや、分かんなくていい」
「??」
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