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球技大会当日:4
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試合の時間になるまで体育館で待つ事にした。翔のサッカーも見たかったけど時間的に合わないから辞めておいた。入口の横に座りバレーとバスケをぼーっと見ていれば上から声がかかった。
「あ、いた」
「げ…」
「そんな嫌そうな顔しないでよ」
「何で来たんだよ…」
そこに立っていたのは神戸だった。俺が球技大会に参加しているのをわざわざ確認に来たらしい。ていうか喋り方…また猫かぶり。他の生徒もいるからだろうか。まず話しかけんなよ。生徒会長様が俺の所にくる事で注目されまくってるんだけど…。視線が痛い。
半ば無視するようにバスケの試合に目を向ければ、神戸が、あ!と何かを思い出したように声を上げた。
「勝負しない?」
「競技違うだろ」
「そういう事じゃなくて」
勝負?
「俺のクラスがサッカーで優木君のクラスに勝ったら俺にご褒美ちょうだい」
「はぁ?」
意味分かんないんですけどー。
「そうだなー、井下君達が勝ったら
生徒会室の呼び出しはもうしないよ」
「?!」
呼び出し…
生徒会室への呼び出しを今後一切しないという神戸。この勝負にのれば、そして勝てば俺はこれから神戸から呼び出しをされることはなくなる。それってどうなの…?
……寂しく、
いやいやいや、寂しくなんかないだろ!何を考えてんだ俺は。面倒極まりないだろ。
「いいよ…やろうぜ。ぜってぇ翔達が勝つから」
「そう?…あ、そろそろ俺行かなくちゃ」
「早く行けって」
「分かってるよ、じゃあご褒美考えとくねー!」
例の如く王子様スマイルを貼り付けながら手を振り体育館を出て行った。ご褒美考えとくって…勝つ気満々じゃねぇか…。
「優木、もうすぐ出番」
「お、おう」
神戸が去った方を見ていればクラスメイトから声をかけられた。
「参加しないと思ってたけど出るんだな」
「優木って運動できるからさ、助かったよ」
「え…あ、あぁ」
「何、緊張してんの?どうした?」
普段滅多に、というか翔とくらいしか喋らないから他の人とどう接していいか分からない…。喧嘩の時にしか口が回らない自分に嫌気がさす。
「井下とはめっちゃ喋んのに俺らとは喋ってくれないの〜?」
「そんな事ねぇって!…その、なんか俺なんかと話してくれるんだって…」
「ぶっ…あっはっは!いやいや、それこっちの台詞だから」
「?」
ひいひい言いながら腹を抱える奴と、呆れ顔で俺を見る奴。
「なんていうか優木って話しかけづらい雰囲気なんだよな。あ、いや、悪い意味じゃなくてな」
「?」
「高嶺の花じゃん?お前」
「なにそれ」
顔を見合わせる2人。
「自覚なしかよ…」
「そんな所もかわ…いでっ!」
「よし、行くぞ優木」
「?」
わけも分からずそのままクラスメイト2人にコートに連れてかれてしまった。
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