アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
球技大会終了:1
-
浩志に連れられてそのまま生徒会室に着いた。浩志がドアを開けると生徒会の役員が何人かいた。その中に俺に嫌悪の視線を向けてきていた笹原もいた。
「神戸会長お疲れ様ー!」
「おつかれ会長」
「あれ?その子は…」
「ん、俺の私用で呼んだ。向こうの部屋借りるわ」
「はいはーい」
役員の子が浩志に挨拶してきた。浩志に腕を引かれ、流石に生徒会室の中では手は繋いではいなかったけど、生徒会室の奥の部屋に連れて行かれた。その時に笹原の横を一瞬横切ったが物凄い形相で睨まれた。浩志は気付いていないみたい。なんだよ、との意味を込めて俺も睨み返しといた。そしたら一瞬怯んだ様な顔をしたがまた睨んできた。
「おい、理央入れ」
「おう…」
浩志に促され生徒会室の奥の一室に通された。恐らく役員達が休憩するのに使っているのだろう。ソファに座らされ、横に浩志も一緒に座る。
「…落ち着いたか?」
「うん…」
「そうか…」
ポンポンと頭を軽く撫でられた。それだけで心が落ち着いた。
「なんか色々悪かったな…」
「は?別になんも悪くねぇよ…助かったし…浩志が来てくれたから…」
「嬉しかったって?」
「いや、…その、あの…」
ニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる浩志。その投げ掛けに対して否定しない自分がいた。そーかそーか、と言いながら浩志は立ち上がりコーヒーを淹れ出した。香ばしい匂いが部屋に充満する。
「シャツ、俺の貸すからさ…教室戻る時はこれ着て戻ればいい」
「ありがと…」
浩志が貸してくれたシャツを着る。ほんのりと浩志の匂いがする…それだけで俺は何故か恥ずかしくなってきた。どうしちゃったの俺…。
「あいつらに関しては俺が厳しく罰しとくから」
「……」
あいつらとはさっきまで俺を襲っていた先輩達の事だろう。浩志が目の前に現れた瞬間に真っ青になっていた先輩達。それ程までに浩志の存在とは絶対的なものなんだと実感する。
「そろそろ閉会式の準備するから教室戻るか?」
「そうするわ…」
部屋から出て役員達に挨拶をして生徒会室を出ようとすると入り口近くに笹原がいた。
「あれ?なんで優木理央君がここにいるのかな」
「…は?」
「てっきり第二倉庫でめちゃくちゃになってると思ったんだけど」
「……」
面白くないといった様子で俺に話しかけてくる笹原。
「浩志気付いちゃったんだね」
「…お前かよ」
「さぁ?」
「うっざ……」
「…君調子乗ってるよね。浩志に気に入られてるとでも思ってんの?」
「思ってねぇよ」
「思ってるくせに。浩志は君の事何とも思ってないから。新しいおもちゃ見つけただけ。助けたのもおもちゃがなくなるのが嫌だっただけだから」
「はぁ?知らねぇよ。おもちゃでもねぇしあいつと俺は関係ない」
「は、どうだか。まあ、いいや。とりあえず浩志がお前なんか相手にすると思うなよ」
「…っ」
「何してんだー?」
少し離れた所で浩志がこちらに声をかけてきた。
「ううん、何でもないよ。優木君をお見送りしてたんだ」
「そーか、ありがとなー」
早く出てけよとでも言いたげな視線を投げられ生徒会室を笹原に追い出された。
さっき話していた時、明らかに笹原の発言は浩志に対する好意によるものからだった。それに気付いた時から俺の心の奥では何かモヤモヤとした物が渦巻いた。スッキリとしないまま教室へ戻るしかなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 231