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球技大会終了:2
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生徒会室に連れて行くかは迷ったけど本人が行くと言ったからそのまま連れてきた。少しは落ち着いたみたいだった。今はもう教室に帰したけど…。
あの後すぐさま第二倉庫に向かった。近くまで来るとガタガタと物音が聞こえていた。倉庫前まで来ると僅かに扉が空いていた。中に誰かがいるのは確かで、静かに扉を開けて中を覗いた。
開けた途端に驚愕した。
1人の男が床に倒されていて、その上に跨る男と両腕を拘束している男がいた。真昼間のしかも校内でするべき事ではないのは見ても分かった。呆れていたのも束の間嫌な予感が再び沸き起こる。
倒されている男が…理央でない事を願わざるを得なかった。しかしそれも叶わず、床に倒されている男が体を動かした時に顔が見えた。
「…理央?!」
確かにその顔は理央だった。2人の男達に押さえつけられ身を捩り抵抗していた。男達は卑しく笑いながら抵抗する理央にいたずらをしていた。それを見ただけで身体中が沸騰するかの様に怒りがこみ上げてきた。今すぐきでも奴らの所に行き掴みかかり殴りたかった。でも、そんな事したら俺もただじゃ済まない事は分かっている。冷静さだけは保ち男達に声をかけた。
「なーにしてんのー?」
男達は俺に気付いていなかったのだろうか、驚いた様子で俺の方を振り向いた。顔を見れば最近素行不良の話をよく聞いていた3年だった。
「その子からどいて早急に出てってくれませんか?」
男達は小さく悲鳴を上げ青ざめながら倉庫から飛び出していった。
ぼーっとしていて何が起きたか分からない様子の理央。近付いて行ったらハッとしたように俺を見た。しゃがんで起こしてやりジャージをかけてやると我慢していたのだろうか、ポロポロと泣き出してしまった。名前を呼べば更に嗚咽を漏らして泣いた。そしてここでこんな事を聞く俺は卑怯だろうか。
「理央、俺勝ったんだよね。だから、ご褒美ちょうだい?」
理央は一瞬頭にハテナを浮かべたがその後すぐに理解したのか控えめに頷いた。
「ん…」
理央に軽く口付ける。ごめんね、と謝った。理央はまた泣き出した。俺の事を呼んでくれた。そんなんじゃ満足できないくらい俺って欲張りだったんだ…。
「理央、俺の事名前で呼んで?」
「……こ、うし」
理央は戸惑いながらも俺の名前を呼んでくれた。俺は理央の背中に腕を回し抱きしめた。すると理央の手も俺の背中に回ってきた。それが嬉しくて仕方なかった。しかも何度も俺の名前を呼んでくる。堪らなく愛しくなった。
これ程までにこいつは…理央は俺の心を深く深く侵食していっていた。今更もう自分に嘘はつけない、そんな所まで来ていた。そう思ったら我慢出来なかった。
「理央…」
「ふ…んぅ…」
目に涙を溜めながら俺のキスに応えてくる理央が可愛い。しかし僅かに理央が震えているのが分かった。襲われたばっかだった事を思い出す。惜しくも口を離し立たせてやる。キュッと袖を掴んで来た理央に笑みが零れる。ギュッと手を繋いでやるとあたふたとする理央。俺はもう、確信している。俺はこいつが好きなんだと。
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