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彼の察したもの
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理央が神戸の事を意識してるのは俺には一目瞭然だった。
違うって顔を真っ赤にして否定してたけど…。
俺が、神戸の事好きなんじゃない?と言った日から何かとぼーっとしてるし…神戸の事でも考えてるんだろう。
いつもの事だが午前中に理央がいなかったから昼休みに屋上に行ってみれば誰もいなかった。あとはたまにいる空き教室だろうと行ってみたら何故か床で寝ていた。こいつ何処でも寝れるんだな…。
起こしてやると半分寝ぼけていた。と思ったら急に覚醒しだして神戸がどーたらこーたら。やっぱりこいつ意識してんじゃん。
俺が本人に訊いてみれば?と言えば訊かないの一点張り。しかし放課後にちょうど神戸からの呼び出しをくらった理央。いい機会だと思い理央の背中を押してやった。
「お疲れ様っしたー」
部活終わり体育館を出ると理央が入口横に立っていた。
「びっくりした…行って来た?訊いた?」
「…訊いてない」
なんだ、訊けなかった。まあ、そうそう簡単に訊ける内容じゃないもんな。でもとりあえず理央に自覚して欲しくて言ったことだからな。そうしたら、
「俺、浩志の事…好きかも」
やっと自覚したのかー、なんて思ってたらなんとなく哀しそうな顔をした理央。不思議に思ってどうしたのか訊こうとしたが珍しく理央は訊いてくるなという雰囲気だった。何年も一緒にいたから分かる。そこまで深く追及するつもりもないが理央は俺が訊けば大抵の事は話してくる。そんな理央が珍しくそんな雰囲気を出すから俺は訊かないようにした。
空を見れば昼間とは違いどんよりと雲が広がっていた。
「雨降りそうだしさ…帰るか」
「…うん」
あの哀しそうな顔が無理してるときの顔ってのはすぐに分かった。
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