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不当論者
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俺が名前を呼んだのにも気付かずに部屋を出て行った理央。後を追おうとして動いたら冬夜に腕を掴まれた。
「行くの?」
「………」
正直なんも気にしてなかった。
笹原が俺の事を好きだなんて本人から聞くまで。
物凄く俺を慕ってくれているのは分かっていたがそこに恋愛感情が含まれているなんて微塵も思わなかった。
昨日理央を生徒会室に呼び出した時に理央から訊かれた事に驚いた。朝呼び出した時には生徒会室に来る様子がなかったから屋上に来てみれば案の定理央はいた。しかしなんか様子がいつも違った。急に屋上から出て行くし…。
昼に改めて生徒会室に呼べば顔を赤くしながら俺の事どう思ってる?なんて、可愛らしくて仕方なかった。ちょっと意地悪したくなった自分を今でも後悔してるけど。
理央は生徒会室を飛び出してしまった。その後にやりすぎたとは思った。そしたら休憩室のドアが開く音がした。
「ごめん、聞いてた」
「いたのか」
冬夜だった。
俺的には聞かれても困るような内容は話していないけど理央的にどうなんだろうという内容ではあった。理央の事も考えて聞かなかった事にしてもらおうと思ったが冬夜が
「…浩志は優木理央の事好きなの?彼は絶対君の事好きだよね」
「どうしたんだよ、いきなり…」
「もし浩志が優木の事好きなら僕は優木も浩志も許さない」
「はぁ?どういう事だよ」
「浩志が好きって事」
「……え?」
衝撃的な発言を残して冬夜は生徒会室を出て行った。俺は暫く放心状態だった。
今日生徒会室で仕事をしていると冬夜が入ってきた。向こうは気にしていないだろうが俺はなんとなく目を合わせづらかった。話さないように仕事を片付けていると冬夜から話しかけてきた。
「こないだ…優木、第二倉庫で色々あったみたいね」
この間の理央の件は俺と校長、教頭、生活指導の教師しか知らないはずだった。
「お前、何でそれ知って……まさか…」
「問題児2人とも片付いてよかったでしょ?」
「………」
「優木の事心配?」
「……何がしたいんだよ」
「僕割と先生にも生徒にも顔効くんだよ…浩志には及ばないけど」
冬夜も仕事ができる上に顔の可愛らしさから教師や生徒に上手く気に入られていたのは知っていた。
「優木みたいな素行の悪い生徒すぐに辞めさせれるし」
「……お前どうしてそんな事」
「昨日も言ったじゃん、浩志の事好きなんだよ…だから優木が邪魔なんだ」
「っ…」
「浩志…優木に構うの辞めてよ」
そういうと冬夜は俺のそばに来て胸元に手を這わして来た。
「優木…今呼び出してよ」
「離せ冬夜…呼び出さないからな」
グッとネクタイを掴まれ顔を近付けられた。
「どうなってもいいの?優木が」
「……っ」
その後無理矢理放送を入れられた。理央、来るなよ…そう思っていても理央は来てしまった。
俺は理央が部屋に入ったのに気付かなかった…冬夜を身体から離そうとした時にガタッと音がして見えたのは理央の後姿だった。
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