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あーん
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由邦はスプーンでアイスをひと掬いして俺に差し出して来た。なにこれ、
「あーん、じゃん」
「ええやん」
「男とやって何が楽しいんだよ」
「細かいこと気にしたらあかんて、ほら、はよー!溶けるで」
「ん……」
口一杯に抹茶の風味が広がる。
「美味しい…」
「せやろ?」
そう言ってまた食べ始める由邦。
「あ」
「どうしたんだよ」
「間接キスやんな?これ」
「ばーか」
何かと思ったら…。はぁ、ため息をつきながらアイスコーヒーを飲んだ。
「理央顔色よーなってきたな」
「まじ?…お前のおかげだな」
「俺何もしてへんて。お茶誘っただけ」
「そんなことねーよ。そろそろ出ようぜ。俺払うからお前外行ってろ」
少し休んだおかげか大分体が軽くなっていた。会計を払おうと伝票を取りレジへ行こうとすると、
「ちょ、待ちい!病人に金払わす程俺根性腐ってへんで?!」
「アホか、世話してくれたお礼。つーか年下に金払わす程俺も根性腐ってないんだけど」
「は?理央俺より年上なん?」
「一つだけな」
「ほんま?!全然見えへんわー」
「うるせぇな」
それは身長の問題だろうが!!多分由邦は俺より10センチは大きい。
「とりあえずお前には払わせねぇからな」
「あ、おい!」
由邦の腕を振り払いレジに向かった。
「なんか、すまんな…」
「いいって。謝るよりお礼言え」
「せやな、ありがとうな!」
「うん。よし」
「………」
「何だよ」
「理央、笑った方がええで」
「はぁ?」
外に出て話していればそんな事を言われる。
「理央モテるやろ?」
「全然」
「またまた~」
「お前はモテるだろ」
「おん!」
「………」
まあ、こんだけでかいし顔もいいしな。当たり前か。
「ちゅーか、集合時間までまだ時間あるんやけど……遅れる言うてもうたしなー…理央は連れに連絡したん?」
「したけど……気分わりいから休んでる。また後で合流しよう、って」
「なんや、なら大丈夫やな」
「?」
「俺とデートしようや、デート」
「はぁ?」
「集合時間まだまだ、先やしー、あのカップルまだ喧嘩しとるやろーしー、な?ええやろ?」
「…別に…」
「おっしゃ、ほなら何処行く?」
「俺あんま京都わかんないんだけど…」
「俺が案内したるよー!」
なんとなくの流れで由邦とデートする事になってしまった。デートってなんだよ…。俺といてもなんも楽しくないと思うんだけどなぁ。でも楽しそうな由邦の顔を見ると断れなかった。
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